3. 【在職老齢年金】計算方法のフローチャートで確認!

働きながら年金を受け取る「在職老齢年金」は、年金額と賃金の合計額が一定の基準を超えると、年金が一部または全額停止される制度です。計算方法は、基本的に年金と賃金の合計額に応じて、停止される年金額が決まります。

計算方法のフローチャート

計算方法のフローチャート

出所:日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」

基本月額と総報酬月額相当額の合計が51万円以下の場合、年金は全額支給され、51万円を超えると、計算式に基づいて一部または全額が支給停止となります。支給停止の対象となるのは老齢厚生年金のみで、老齢基礎年金は減額されません。

また、年金額は、退職時や毎年9月に見直される「在職定時改定」で再計算され、これまでの厚生年金加入期間が反映されます。これらの仕組みを理解しておくことは、働きながら年金をもらう上で非常に重要です。

4. 【在職老齢年金】働く意欲のあるシニアがより柔軟に働ける環境が整いつつある

2026年4月から在職老齢年金の基準額が月62万円に引き上げられます。これにより、働きながら年金を受け取る人の支給停止が緩和される見込みです。在職老齢年金の見直しにより、働く意欲のあるシニアが年金制度に縛られず、より柔軟に働ける環境が整いつつあります。年金を理由に仕事を控える必要がなくなり、前向きな選択がしやすくなったと言えるでしょう。

また年金制度のしくみを理解し、自分のライフプランに合った受け取り方を選ぶことが重要です。年金制度は複雑ですが、正しく知ることで暮らしの安心につながります。

参考資料

村岸 理美