9月も終盤に入り、秋の涼しさを感じるこの時期は、将来の暮らしを見直すのにぴったりのタイミングです。
2025年6月に公表された内閣府「高齢者白書」によると、65歳以上のおひとりさま世帯は男女ともに増加しています。
2020年は男性15.0%、女性は22.1%となり、2050年には男性26.1%、女性29.3%になる見込みです。
老後の暮らしを安心して過ごすためには、実際にどのくらいの貯蓄や年金があるのか知っておくことが大切です。
今回は、70歳代おひとりさま世帯の貯蓄額や年金額について紹介します。
1. 【70歳代】おひとりさま世帯の貯蓄額
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」における、おひとりさま世帯の貯蓄額について見ていきましょう。
※なお、これから確認する金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
1.1 【70歳代おひとりさま世帯】貯蓄額と割合
- 金融資産非保有:27.0%
- 100万円未満:5.1%
- 100~200万円未満:5.7%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:3.9%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:7.3%
- 700~1000万円未満:5.9%
- 1000~1500万円未満:8.9%
- 1500~2000万円未満:4.7%
- 2000~3000万円未満:6.1%
- 3000万円以上:15.9%
- 無回答:2.4%
70歳代のおひとりさま世帯のうち、およそ3割(27.0%)が金融資産を持たず、いわゆる貯蓄ゼロの状態です。
一方で、1000万円以上の資産を持つ世帯も全体の35.6%にのぼり、世帯間の経済状況には大きな格差がみられます。
特に3000万円以上の資産を持つ層が15.9%を占めており、老後の生活水準は二極化していることがわかります。
1.2 【70歳代おひとりさま世帯】貯蓄額と割合
- 平均:1634万円
- 中央値:475万円
70歳代おひとりさま世帯の平均貯蓄額は1634万円ですが、中央値は475万円にとどまっています。
この差は一部の高資産層が平均値を押し上げていることを示し、資産状況にばらつきがあるとわかります。
そのため、多くの世帯は平均値ほどの資産を持たず、老後の生活資金に不安を抱えるケースも少なくありません。