9月になり、暑かった夏も落ち着き、過ごしやすい気候となってきました。気候変動や物価高など、私たちの生活に影響を与える話題が尽きない中、老後の生活資金をいかに確保するかが大きな関心事となっています。
老後の生活を支える柱の一つに、公的年金制度があります。
しかし、その仕組みや、将来どのくらいの年金がもらえるのか、正確に把握している人は多くないかもしれません。公的年金は、原則2カ月に一度、偶数月の15日に支給されます。
本記事では、日本の公的年金制度の仕組みや、平均受給額、さらに受給額を増やす制度などについて、詳しく解説していきます。
公的年金の仕組みを理解し、将来設計を考えるヒントにしてください。
1. 日本の公的年金制度
公的年金の支給日は「偶数月の15日」です。
もし、15日が土日祝日となる場合は、その直前の平日が支給日となります。
日本の公的年金制度は2階建て構造になっており、1階部分には「国民年金(基礎年金)」、2階部分には「厚生年金」があります。
それぞれの、加入対象・保険料・老後の受給額について見ていきましょう。
1.1 「1階部分」国民年金:加入対象・保険料・老後の受給額
- 加入対象:日本に住む20歳以上から60歳未満の全ての人が原則加入
- 年金保険料:全員一律(※1)
- 老後の受給額:40年間欠かさず納めれば満額(※2)
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被保険者:第1号~第3号に分かれる(※3)
※1 国民年金保険料の月額:2025年度 1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額:2025年度 6万9308円
※3 第1号被保険者は農業者・自営業者・学生・無職の人など、第2号被保険者は厚生年金の加入者、第3号被保険者は、第2号被保険者に扶養されている配偶者
1.2 「2階部分」厚生年金:加入対象・保険料・老後の受給額
- 加入対象:会社員や公務員、またパート・アルバイトで特定適用事業所(※4)に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入
- 年金保険料:収入に応じて決まり(※5)、給与からの天引きで納付
- 老後の受給額:加入期間や納めた保険料により個人差あり
- 被保険者:第1号~第4号に分かれる(※6)
※4 1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※5 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※6 第1号は、第2号~第4号以外の、民間の事業所に使用される人、第2号は国家公務員共済組合の組合員、第3号は地方公務員共済組合の組合員、第4号は私立学校教職員共済制度の加入者
次は厚生労働省の資料をもとに、シニア世代の「平均年金月額」をご紹介します。