1.1 退職金の受け取り方を比較
実際に一時金形式・年金形式で受け取った場合、所得にどれくらいの差があるか比較してみましょう。以下の条件を例に計算していきます。
- 65歳で定年退職する
- 勤続年数は40年
- 退職金額は2500万円(年金形式では年間125万円を受け取る)
- 退職後は年間240万円の年金を受け取る
計算結果は、以下のとおりです。
一時金形式
- 退職所得控除:800万円+70万円×(40-20)=2200万円
- 退職所得(2500万円ー2200万円)×1/2=150万円
- 所得金額:150万円
年金形式
- 退職所得:125万円
- 年金所得:240万円
- 公的年金控除:110万円
- 合計所得(125万円+240万円)ー110万円=255万円
- 所得金額:255万円
年金を受け取ることになる分、一時金形式のほうが所得金額は低く済みます。結果的に税負担を抑えられるため、一時金形式のほうがお得なのです。
どちらの形式で受け取るかは老後のライフプラン次第ですが、所得を下げて税負担を抑えたいなら、一時金形式で受け取るとよいでしょう。