上海株が+6.5%上昇
先週(2015年10月12日‐10月16日)の世界の主要株式市場は、以下グラフの通り上海株の上昇が顕著で、それ以外は小動きでした。詳しく見ると、上海株に牽引される形でアジア株が総じて上昇しましたが、資源国であるブラジル・インドネシアは下げました。
中国の貿易統計や日本の工作機械受注などを見ると景気の足取りは重そうですが、物価指標は資源価格の下落もあって世界的に鎮静化に向かっていることが確認されました。
緩和的な金融政策が続きそうだと認識させるような、株式市場にとっては適温ともいえるマクロ指標が続いています。
一方、米国企業の決算発表シーズンが始まりました。今のところ、ウォルマート(WMT)が急落した以外はこちらも適温決算と呼べる内容で、発表企業の株価は概ね堅調と言える推移でした。
米国企業の決算は始まったばかりのため、米国の株式市場は全体としてまだ大きく動きづらいと思われます。その中で、上海株は金融・財政双方の景気対策への期待感から上昇したと見られます。
注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示
注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示
今週は米国の企業業績と中国のマクロ政策に注目が集まる週に
今週(10月19日‐10月23日)の注目は、中国のマクロ指標と米国主要企業の決算でしょう。まず週明けに中国の9月のGDP、鉱工業生産、固定資産投資、小売売上が発表されます。
米国の決算はまさにピークを迎え主要企業の決算が毎日続きます。日本でもいよいよ9月期の四半期決算が、安川電機や日本電産、花王を皮切りに始まります。
中国については政策期待で株価が上昇に転じているように見えます。中国のマクロ指標が仮に悪い場合、株価がしっかり下げ止まれるのかがポイントです。
一方、企業業績に関しては、ウォルマートの例で見たように芳しくない決算やガイダンスには容赦ない売りが出てきそうですのでまだまだ注意が必要でしょう。
全体としてみると前週と同じようにアジア株が優位な展開を続けることになるかもしれません。
【2015年10月18日 投信1編集部】
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