1.2 70歳代・二人以上世帯の貯蓄額分布
世帯ごとの貯蓄額分布は以下のとおりです。
- 金融資産非保有:20.8%
- 100万円未満:5.4%
- 100~200万円未満:4.9%
- 200~300万円未満:3.4%
- 300~400万円未満:3.7%
- 400~500万円未満:2.3%
- 500~700万円未満:4.9%
- 700~1000万円未満:6.4%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:8.9%
- 3000万円以上:19.0%
- 無回答:3.5%
最も多いのは、全体の2割強(20.8%)を占める、金融資産がない(貯蓄0円)の世帯です。一方で、貯蓄を3000万円以上持つ世帯も2割弱(19.0%)存在しており、全体的に大きな開きがあることがわかります。
その他の貯蓄額の割合を見ると、100万円未満の世帯が5.4%、100~200万円未満の世帯が4.9%、200~300万円未満の世帯が3.4%と、貯蓄額が比較的少ない世帯も一定数存在します。
その一方で、1000~1500万円未満の世帯が10.2%、1500~2000万円未満の世帯が6.6%、2000~3000万円未満の世帯が8.9%と、まとまった貯蓄を持つ世帯も存在しています。
このように、70歳代世帯の貯蓄額は、定年退職金や過去の収入、相続、健康状態などさまざまな要因を受け、世帯ごとに大きく異なります。
2. 【いまどきシニア】何にお金を使ってる?シニアの出費は健康志向?
シニア世代は何にお金を使っているのでしょうか。60代と70代が、その他の年代と比較して支出の多い項目を紹介していきます。
60歳代はフィットネスクラブなどの「スポーツ施設使用料」の支出金額が最も多く、最も少ない30 歳代の世帯の 3.2 倍になっています。なお、消費支出に占める「スポーツ施設利用料」の割合も60 歳代の世帯が最も高くなっています。
70歳代を見てみましょう。するとサプリメントなどの「健康保持用摂取品」の支出金額が最も多く、最も少ない30歳未満の世帯の5.4倍になっています。また、消費支出に占める「健康保持用摂取品」の割合も70歳以上の世帯が最も高くなっています。
このように、いまどきシニアは健康に対する意識が高いと言えるでしょう。いつまでも健康で暮らしていくためにも、健康的な身体作りを心掛けていることが分かります。
3. 医療費は年齢とともに高くなるので注意が必要です
支出のうち医療費に注目してみましょう。
厚生労働省の統計によると、1人あたりの医療費は年齢が上がるほど大きくなり、70代で60万円を超え、90歳以上では100万円を優に超える水準となっています。
特に80歳を境に入院や生活療養の比率が高まり、医療費の大半を占めるようになります。高齢になるにつれて期には長期入院や療養に伴う支出が加わるため、費用は一気に膨らむ傾向にあるのです。
このように、加齢とともに医療費が生活に与える影響は無視できず、老後の家計を考える上で大きな誤算となることも多いため注意が必要です。
4. いまどきシニアのライフスタイルからわかること
今回はいまどきシニアのリアルな生活について垣間見ていきました。
貯蓄を切り崩しながらも働き続け、収入を得て健康的な生活を続けている姿が浮かび上がりました。
人生100年時代と言われていますが、その長い時間を安心して過ごすには、生活費だけでなく医療費や介護といった予期せぬ支出も考慮しておく必要があります。
今からできることを考えてみるのもいいかもしれません。
参考資料
三石 由佳