物価高対策として、選挙の公約にも掲げられた「現金給付」がどうなるのか注目が集まっています。

一方で、「もらえるはずなのに手続きが漏れていたためにもらえなかった」ということが起こらないよう、今実施中の制度をしっかり知ることも重要です。

例えば2024年に実施された定額減税が記憶に新しいという方もいるでしょう。実は、昨年の定額減税で「十分に恩恵を受けられなかった」という世帯に向けて、追加の給付金である「調整給付金(不足額給付)」が支給されているのです。

制度が複雑だったために、自分自身が対象になるかいまいちわからないという方も多いでしょう。

中には一律で4万円が給付されるケースもあり、かつ手続きが必要なケースもあることから、自治体から届いた書類の種類を確認することがとても大切です。

本記事では、2025年に行われる【調整給付金(不足額給付)】についてくわしく解説します。

7~8月にかけて支給が始まっていますが、中には9月を支給予定とする自治体もあるようです。

※自治体によって対象やスケジュールが異なるケースがあります。必ずお住まいの情報をご確認ください。

1. 2024年の定額減税を覚えている?

2024年、物価上昇における国民負担を緩和するための措置として、「定額減税」が実施されました。

所得税と住民税が最大で4万円引かれるというもので、いつもより給与や年金の手取り額が高かったという人も多いでしょう。

2024年に実施された定額減税《所得税》

定額減税の仕組み《所得税》

出所:国税庁「令和6年分所得税の定額減税のしかた」

2024年に実施された定額減税《住民税》

定額減税の仕組み《住民税》

出所:総務省「個人住民税の定額減税について」

対象となるのは「日本国内の居住者」「2024年の合計所得金額が1805万円以下」などの方で、控除しきれない場合は給付金が支給されました(調整給付)。

また、そもそも非課税世帯などで税金を支払っていない世帯に対しては、1世帯あたり7万円の給付金も支給されました(住民税均等割のみ課税世帯へは10万円)。

このように対象者に漏れがないよう進められたものの、残念ながら十分な減税が受けられなかったという世帯もあります。こうした世帯に向けては、自治体から「調整給付金(不足額給付)」の案内が届きます。