2019年1月29日に行われた、株式会社大和証券グループ本社2019年3月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料
スピーカー:株式会社大和証券グループ本社 専務執行役 CFO 小松幹太 氏
2018年度第3四半期 決算サマリー
小松幹太氏:大和証券グループ本社の小松でございます。本日は、お忙しい中ご参加いただきまして、誠にありがとうございます。それでは、本日公表いたしました2018年度第3四半期決算につきまして、当社ホームページに掲載しております決算説明資料に沿ってご説明いたします。
それでは、まず4ページをご覧ください。最初に、連結決算のサマリーについてご説明いたします。数値の増減率は、2018年度第2四半期比で申し上げます。
2018年度第3四半期の純営業収益は1,103億円、プラス2.3パーセントとなりました。リテール部門は、ソフトバンクのグローバルIPOに伴い、資産導入や新規口座開設が拡大した一方、年末にかけての株式市場の調整により、株式投信の販売額および外国株の売買代金が減少し、減収となっております。
ホールセール部門では、グローバル・マーケッツにおいてエクイティ・FICCの収益が減少した一方で、引受手数料が大幅に伸びたうえ、M&A関連手数料も増加し、グローバル・インベストメント・バンキングの収益が四半期ベースで2010年以降最高となりました。
経常利益は194億円、マイナス3.3パーセントとなりました。販売費・一般管理費は、販売促進に係る広告宣伝費や海外で業績に連動する賞与等が増加して941億円、プラス1.9パーセントとなっております。
親会社株主に帰属する純利益は141億円、マイナス20.5パーセントと減益になり、ROEは年換算で4.5パーセント。BPSは782円6銭となりました。
損益計算書の概要
それでは、10ページをご覧ください。損益計算書についてご説明いたします。
受入手数料は783億円、プラス18.3パーセントとなりました。
受入手数料の内訳については23ページにございますが、外国株の取引が減少したことにより、委託手数料は145億円、マイナス1.8パーセントとなっております。
引受け・売出し手数料は、ソフトバンクのグローバルIPOにより大幅に増加して179億円、プラス188.9パーセントとなりました。募集・売出しの取扱手数料は、株式投信の販売額が減少したことにより55億円、マイナス25パーセントとなっております。
トレーディング損益は、外国株および債券の顧客フローが減少したこと等により減益となりました。
営業外収支は、受取配当金が減少しました。また、政策保有株式の縮減に伴い、投資有価証券売却益を特別利益に計上しております。
販売費・一般管理費の内訳
続いて、11ページをご覧ください。販売費・一般管理費の状況についてご説明いたします。
取引関係費は、販売促進に係る広告宣伝費が増加しております。人件費は、国内は横ばいでしたが、欧州のM&A子会社のDCAで、業績に連動する賞与が増加しました。
事務費は、システム関連の事務委託費により増加しております。
また、減価償却費は、開発システムの稼働により増加をいたしました。
海外部門の経常収支
13ページをご覧ください。海外部門の経常収支についてご説明いたします。
海外部門の合計の経常利益は3億円となり、11四半期連続での経常黒字となりました。地域別で見ますと、欧州は、クレジットスプレッド拡大の影響を受けFICCで収益が減少したほか、エクイティでも収益が減少しました。
アジア・オセアニアは、エクイティ・FICCとも収益が減少するなか、ベトナムのSSI証券の持分法投資利益が貢献し、わずかに増益となりました。
米州は、DCSののれん償却等の費用減少に加え、CB等のエクイティ収益が増加し、増益となりました。
リテール部門
続きまして、セグメント別の業績についてご説明をいたします。14ページをご覧ください。まず、リテール部門の収支についてご説明いたします。
純営業収益は463億円、マイナス2パーセント。経常利益は61億円、マイナス9パーセントの減収減益となりました。
エクイティ収益は、外国株取引が減少した一方、ソフトバンクの(グローバル)IPOに伴いエクイティ募集販売手数料が増加し、増収となっております。
債券収益は、主に仕組債の販売額が減少し、減収となりました。
市場環境の悪化等による株式投信販売額の減少により、投信募集手数料は減少しました。期中平均残高の減少により、投信代理事務手数料も減少しています。
その他収益では、ラップ関連収益が増加いたしました。
リテール部門 大和証券
15ページをご覧ください。こちらは、大和証券のリテール部門における商品募集・販売額の状況と、当四半期のトピックスです。
エクイティ募集は、ソフトバンクのグローバルIPOの取扱いにより、募集額が大幅に増加。新規口座開設および資産導入にも貢献いたしました。
ラップ口座サービスでは、マーケットの下落に伴い評価額は減少いたしましたが、純増額は堅調に推移いたしました。
ホールセール部門 グローバル・マーケッツ
次に、16ページをご覧ください。ホールセール部門についてご説明いたします。
まず、グローバル・マーケッツですが、純営業収益は195億円でマイナス37.2パーセント。経常利益は31億円の赤字となりました。エクイティは、日本株の顧客フローが堅調に推移した一方、外国株は海外市場が軟調に推移したこと等により低下。トレーディング収益も落ち込み、収益は減少いたしました。
Fixed Income(FICC)は、金利が低下方向で推移するなか、リスクオフの流れから期末に向け顧客フローが減少。トレーディングポジションの運営も苦戦し、収益は減少いたしました。
ホールセール部門 グローバル・インベストメント・バンキング
18ページをご覧ください。グローバル・インベストメント・バンキングについてご説明いたします。
純営業収益は175億円、プラス113.3パーセント。経常利益は63億円となりました。
エクイティ引受では、ソフトバンクの主幹事を務めたほか、複数の主幹事案件を積上げ、収益は大幅に増加しました。
デット引受においても、普通社債や劣後債で主幹事を務めたほか、複数のベンチマーク債で実績を積上げました。
M&Aでは、グローバルネットワークを活かした多数の海外・クロスボーダー案件を遂行しました。
アセット・マネジメント部門
19ページをご覧ください。アセット・マネジメント部門についてご説明いたします。
純営業収益は121億円、プラス0.3パーセント。経常利益は69億円、マイナス5.7パーセントとなりました。大和投資信託では、公募株式投信の期中平均残高がマーケット要因により期末にかけて減少し、減収減益となっております。
不動産アセット・マネジメントでは、不動産投資法人(REIT)を運用する大和リアル・エステート・アセット・マネジメントが物件を取得したことに伴い、運用資産残高は過去最高となりました。
投資部門
21ページをご覧ください。投資部門についてです。
純営業収益は15億円、経常利益は6億円となっております。
以上、2018年度第3四半期決算についてご説明申し上げました。当第3四半期は、(2018年)10月2日に2万4,270円をつけた日経平均が、年末は一時2万円を割り込むなど、2割近い下落となりました。さらに同時に、債券市場も予想外の金利低下が続き、国債・社債ともにトレーディングが苦戦しました。
一方で、ソフトバンクの(グローバル)IPOなどで、個人のお客さまからの導入は高水準でした。また、M&Aでもクロスボーダー案件が多数できるなど、回復が見られました。
とはいえ、残念ながら第3四半期の相場下落で、とくに個人のお客さまの投資意欲は減退しており、足元も多少上向きながらも、あまり大きくは改善していません。米中貿易摩擦やブレクジットなど、世界的な不安定要因はまだまだ解決していませんし、日本の市場もその影響を大きく受けて、ある意味過剰反応しています。
しかしながら、日本のファンダメンタルズは、相対的にも絶対的にも引き続き底堅いと考えています。お客さまには市場が低位水準にあるこの機会をとらえて、投資を再度考えていただくべく、全社をあげて取り組んでまいります。みなさまには引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。