電車に乗ると、しばしばマナーの悪い人が目に付きますよね。特に満員電車だと、多くの人が我慢しながら乗っているだけに、近くにいる自分勝手な人の行動にイラッとすることも多々あるかもしれません。
先日、日本民営鉄道協会から発表された「平成30(2018)年度 駅と電車内の迷惑行為ランキング」には、そういった迷惑がられる行為が並んでいます。特に、「荷物の持ち方・置き方」が迷惑行為の1位になったことを受けて、さまざまな声が上がっています。
背負いリュックが「最も迷惑」に
このアンケートでは、最大3つまで回答可とした中で、37.3%の人が「荷物の持ち方・置き方」で迷惑を感じると回答しました。ちなみに、この「荷物の持ち方・置き方」の項目は、2013~2015年度は全体の6位だったのですが、2016年度に4位になり、2017年度には3位と、ここのところずっと順位を上げ続けていました。
そして、この「荷物の持ち方・置き方」で迷惑を感じると回答した人のうち、実に66.2%が、「背中や肩のリュックサック・ショルダーバッグ等が最も迷惑」だと答えました。前年度の調査でこの項目を選んだ人は55.2%だったので、11ポイントも増加しています。
特にリュックを背負ったままの乗車に対しては、しばしばネット上でも不満の声が上がり、話題となります。2018年3月には、関西の20の鉄道事業者によって「荷物の置き方・持ち方(リュックサック)」をテーマとしたマナー啓発ポスターが制作され、駅構内や社内に掲示されたりもしました。
「前に抱えろ」vs「背負うのが合理的」
一般に、電車内ではリュックサックは「前に抱える」「網棚の上に置く」というのがマナーとされています。「前に抱えても体積的に変わらないじゃないか」という声もありますが、一般に人間はパーソナルスペースが正面に広く背面に狭いことから、前に抱えたほうが不快さを高めずにスペースを有効活用できるといわれます。また、常に目が届く前方に抱えていれば、リュックが他人の迷惑になっていないかどうかにも気づきやすく、防犯上でもより安全といえるでしょう。
こうしたこともあり、ネット上では、リュックを背負ったまま乗車する人に対して、
「リュックが人にぶつかっているのにそれに気づかずにいるのがムカつく」
「リュックの角が顔に当たりそうで危ない」
「山に行くような馬鹿みたいにデカいリュックを電車の中で背負ってんなボケ」
などと憤る声が数多く見られます。また、「足元のほうが空いているのだから下ろして手で持つべき」という意見もあるようです。
一方で、
「背負ったままのほうが倒れたときに受け身がとれて安全」
「重たくて背負っているので、下ろして手に持つのもむりだし、網棚に上げるのはむしろ危険」
と、背負いリュックを迷惑がる風潮に反論する声も多く上がっています。
もはやリュックで電車には乗れない!?
加えて先の調査では、「荷物の持ち方・置き方」で最も迷惑に感じる行為の3位に「床(足元)に置かれた荷物」が挙げられています。そのため、次のように憤る声もあります。
「前にも後ろにも持てないし、下にも置けないとなったらリュックで乗車なんて無理」
「リュックを使うなということか」
また、「そもそもリュック自体が悪いのではなく、満員電車が悪いのだから、そちらを改善するべきだ」と、マナーの問題とするのではなく根本的な解決を求める人も少なくないようです。
「痴漢対策」で背中にリュックの人も
そんな中、女性からは「痴漢対策でリュックを背負ったままなんだよなあ」という声も多く上がっています。理由は次のようなものです。