10月となり、過ごしやすい季節になりましたが、家計を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いています。

物価上昇の波は止まらず、食費や光熱費などの生活必需品のコスト増は、特に年金生活を送る方々にとって深刻な問題です。

老後の生活設計の基本となる公的年金ですが、厚生労働省の最新データによると、その平均月額は国民年金で5万円台、厚生年金で14万円台となっており、これが老後の生活費のすべてとなるには心許ない金額です。

また、年金受給額には大きな個人差があり、月額2万円未満から25万円以上まで、受給者の状況は多様です。

このような状況の中、年金収入とその他の所得が一定基準以下の人々を支援するために国が設けたのが「年金生活者支援給付金」制度です。

本記事では、まずは公的年金の平均受給額と個人差を確認し、その上で2025年度に増額されたこの給付金の支給額、そして最も重要な支給対象者や請求手続きの要件について詳しく掘り下げていきます。

給付金を活用することで、物価高に負けない安心できる老後生活の基盤を築きましょう。

1. 国民年金・厚生年金のみんなの平均月額と個人差をチェック

厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です。

ただしグラフのように、厚生年金を月額25万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額2万円未満となる人まで、幅広い受給額帯に分布しています。

2. 年金生活者支援給付金

「年金生活者支援給付金」は、年金収入やその他の所得額が一定基準額以下の年金生活者を支援する目的で、2カ月に一度、年金に上乗せして支給される給付金です。

受給中の年金に合わせて、以下の3種類の給付金が設定されています。

  • 老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金