筆者は資産運用アドバイザーとして日々さまざまなお金の相談を受けていますが、最近は20歳代の方からも「老後が不安」という声を聞くことが増えてきました。特に、「物価上昇がこのまま続いたら将来の生活が心配です」といった相談はとても多いです。
実際に、現在年金で暮らしている世帯にとっても、物価の上昇は家計を圧迫する大きな要因となっています。こうした状況を踏まえて、政府や自治体では年金生活者を支援するためのさまざまな施策を実施しています。
その代表的な制度のひとつが「年金生活者支援給付金」です。今回は、この給付金の仕組みや対象者、申請方法について詳しく解説していきます。
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1. 「年金生活者支援給付金」とは
厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均年金月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です。
しかし上記はあくまでも全体の平均値に過ぎません。
実際の受給額には個人差があり、月額30万円以上受け取っている人がいる一方で、1万円未満のケースも存在します。年金受給額は、現役時代の働き方や年金加入期間によって大きく変わってきます。
もし、年金とその他の所得を含めても一定基準以下となる場合には、「年金生活者支援給付金」を受け取れる可能性があります。