老後生活を支える柱となり得るのが、生涯に渡り受給できる公的年金です。

しかし、少子化が進み、将来の年金制度に対する不安の声は高まる一方です。

10年後、20年後、30年後、年金支給水準がどれくらいになるのかも現時点ではわかりませんが、だからこそ、定期的に「いまのシニア世代の年金事情」を把握することが重要ではないでしょうか。

この記事では、厚生年金と国民年金の平均年金月額をご紹介します。

いまの社会経済において、シニア世代は月いくらの年金で生活しているのかを見てみましょう。

1. 日本の「公的年金制度」の仕組みをおさらい

「日本の年金制度は2階建て」と表現され、1階部分にあたるのが「国民年金(基礎年金)」で、2階部分にあたるのが「厚生年金」です。

ここでは、まずそれぞれの制度の基本について整理していきましょう。

1.1 1階部分:国民年金の概要を整理

  • 加入対象者はどんな人?:原則として日本に住む20歳から60歳未満の全員(職業や国籍は問わない)
  • 年金保険料はいくら?:全員一律、ただし年度ごとに改定あり(※1)
  • 老後の受給額はどう決まる?:保険料を全期間(480カ月)納付すれば満額の老齢基礎年金を受給できる(※2)

※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円

1.2 2階部分:厚生年金の概要を整理 ※国民年金に上乗せで加入

  • 加入対象者はどんな人?:会社員や公務員、またパートで特定適用事業所(※3)に働き一定要件を満たした方
  • 年金保険料はいくら?:収入に応じて(上限あり)変わる(※4)
  • 老後の受給額はどう決まる?:加入期間や納めた保険料により個人差が大きく出やすい

※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。

国民年金と厚生年金は、加入できる対象や保険料の仕組み、将来の受給額などに違いがあります。

それぞれの特徴を理解し、自分の年金受給額を把握して収入を見積もることで、将来の生活設計を立てやすくなるでしょう。