4. 「年金振込通知書」の確認すべき8つの項目とは?

公的年金の支給額は、物価の動きや現役世代の賃金水準をもとに、毎年見直される仕組みになっています。

2025年度については、4月分から年金額が改定され、前年度比で1.9%の引き上げが行われました。

年金を金融機関で受け取っている人には、改定後の支給に合わせて「年金振込通知書」が郵送されます。

この通知書には、次のような内容が記載されています。

年金から天引きされる税や社保が記載される「年金振込通知書」

年金から天引きされる税や社保が記載される「年金振込通知書」

出所:日本年金機構「年金振込通知書」

(1)年金支払額

1回に支払われる年金額(控除前)

(2)介護保険料額

年金から天引きされる介護保険料額

(3)後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)

※特別徴収される場合に記載される

年金から天引きされる「後期高齢者医療保険料」または「国民健康保険料(税)」

(4)所得税額および復興特別所得税額

年金支払額から社会保険料(※1)と各種控除額(※2)を差し引いた後の額に5.105%の税率をかけた額

※1 社会保険料:社会保険料とは、特別徴収された介護保険料、後期高齢者医療保険料または国民健康保険料(税)の合計額
※2 各種控除額:扶養控除や障害者控除など

(5)個人住民税額および森林環境税額

年金から特別徴収(天引き)される個人住民税額および森林環境税額

(6)控除後振込額

年金支払額から社会保険料、所得税額および復興特別所得税額、個人住民税額および森林環境税額を差し引いた後の振込金額

(7)振込先

年金が振り込まれる金融機関の支店名(※営業所、出張所などを含む)

(8)前回支払額

令和3年10月から、年金振込通知書に前回の定期支払月に支払った金額

各支給月に差し引かれる特別徴収額(天引き分)は、状況によって変わることがあるため注意が必要です。

また、年金振込通知書は原則として年1回のみ送付され、振込金額や受取口座に変更がなければ、以降の支給月には通知書が届かない仕組みとなっています。

5. 年金見込み額をチェックしてみよう

今回は、日本の年金制度の仕組みや、厚生年金で「月額20万円以上」受け取っている人の割合について確認してきました。

将来受け取る年金額は、働き方や収入によって大きく変わります。今後の働き方を考える際には、年金への影響も念頭に置いておくとよいでしょう。

現時点で自分がどれくらいの年金を受け取れるかは、「ねんきんネット」で簡単に確認できます。まだ確認したことがない方は、一度チェックしてみることをおすすめします。

もし現在の年金額が少ないと感じた場合は、老後までに不足分を補うための貯蓄や資産形成を検討することが大切です。

例えば、NISAやiDeCoのように、少額からでも税制優遇を受けながら積み立てができる制度もあります。まだ利用していない方は、自分に合った方法かどうかを確認してみましょう。

参考資料

矢武 ひかる