2. 「後期高齢者医療制度」の医療費の自己負担割合

現役世代の方は、病院にかかったときに「医療費の3割」を自己負担することが多いと思います。

一方で後期高齢者医療制度における医療費の自己負担割合は、「1割」「2割」「3割」のいずれかに区分されます。これは所得に応じて決まります。

制度設立当初から「一般的な所得の方は1割」「現役並み所得の方が3割」とされてきたのですが、2022年10月1日に「2割負担」が導入。これにより、一定以上の所得がある方については負担割合が2割へと引き上げられました。

厚生労働省の推計によると、2割負担の対象となるのは約370万人。後期高齢者医療制度の加入者全体の約2割を占める形です。

2.1 自己負担割合が2割になる人の要件

後期高齢者医療制度の被保険者で、窓口負担割合が「2割」となるのは、次の(1)(2)の両方の条件を満たす場合です。

  • 1:同じ世帯の被保険者の中に課税所得が28万円以上のかたがいるとき
  • 2:同じ世帯の被保険者の「年金収入(※1)」+「その他の合計所得金額(※2)」の合計額が、被保険者が世帯に1人の場合は200万円以上、世帯に2人以上の場合は合計320万円以上であるとき

※1「年金収入」とは、公的年金控除等を差し引く前の金額です。なお、遺族年金や障害年金は含みません。
※2「その他の合計所得金額」とは、事業収入や給与収入等から必要経費や給与所得控除等を差し引いた後の金額です。

2.2 自己負担割合が2割になる人の「年金収入」目安

75歳以上の方の課税所得や年金収入などをもとに、世帯単位で自己負担割合が判定されます。

「課税所得が28万円以上」であり、かつ「年金収入とその他の合計所得」の合計額が以下の基準を満たす場合、窓口負担割合は2割となります。

  • 単身世帯:年金収入とその他の合計所得が200万円以上
  • 複数人世帯:年金収入とその他の合計所得が合計320万円以上