出会ったとき、ウェンズデーは生後9週目でした。生まれてから8週間はお母さん猫のもとで育つのが一番とされ、9週目以上の年齢の猫のみが里親探しの対象です。引き取る時、「養子縁組」の申請書を提出します。

申請書には名前や住所のほかに、飼い主にふさわしいかをSPCA側が判断するための質問の答えを記入します。現在のペットの有無、もし以前飼っていたのだったら動物の種類、その動物はどうしたか、飼い方に問題があるのではないかとSPCA職員が自宅を訪れたことがあるかなどの問いに、誠実に答えます。

書類には里親の条件も書かれています。食事・水・家を与え、病気の時は獣医に連れて行くなど、きちんと面倒を見ることが挙げられています。これらに同意できたらサイン。かわいい子猫がやって来るので有頂天になりがちですが、1つの命を託された責任を感じます。

飼い主の家に来るまでに、猫たちは健康診断や去勢・不妊手術、予防接種を受け、迷子になっても飼い主のもとに戻れるよう、マイクロチップの埋め込みも済ませます。いよいよお迎えに!という時に必須なのはケージです。きちんとしたケージなしでは連れて帰れません。もし持っていなければ、小動物移送用に特別に作られた段ボール製の箱を分けてもらいます。

引き取る当日には、寄生虫・ノミ予防の薬を与える次の予定日などが書かれた書類や、飼い方の冊子、予防接種の記録帳、マイクロチップ番号のカード、SPCAお勧めのエサのサンプルをもらいます。

このエサは栄養バランスがとれた値段が高いものですが、おかしなことに猫たちには不評だそうです。ウェンズデーも嫌いで、スーパーで売られているもっと安価なものがお気に入りです。

引き取るときにかかる実費は?

保護施設から引き取るからといって無料というわけではありません。獣医代などの実費を支払います。人気がある子猫は比較的高く、100~250NZドル(約7,300~1万8,000円)、成猫は80~120NZドル(約5,800~8,800円)といったところ。SPCAの支部によって料金に違いがあります。

筆者の場合は170NZドル(約1万2,000円)でした。「あとはかわいがって育てるだけ」で私たちのところにやって来るわけですから安いものではないでしょうか。

こうして筆者宅にやって来たウェンズデーは、外で捕ってきたネズミを「いつもありがとう」と持って帰ってきたり、ソファから落ちそうになりながら昼寝をしたりと、私たちを驚かせたり、笑わせたりしてくれます。SPCAでこの猫に出合わなかったら、筆者一家の生活はもっと退屈だったに違いありません。

クローディアー 真理