この記事の読みどころ
- これまでの実績と継続性をもとにパフォーマンスがしっかりしている上位10本のファンドを抽出してみました。
- 運用で大きく成長したのはヘルスケア&バイオ・ファンド2本です。
- 意外に頑張った日本株ファンドは3本ありました。
何を基準に投資信託を選べばよいのか
5000本を超える投資信託の数の多さは、資産運用を始めようと考えている個人投資家にとっては悩みの種です。今回は、楽天証券で取り扱っている投資信託の中から条件を設定し、これまでの実績と継続性をもとにパフォーマンスがしっかりしている上位10本のファンドを抽出してみました。
具体的には、以下の2条件の結果でファンドと傾向を分析してみたいと思います。
- 運用年数が10年以上
- 純資産が100億円以上
2条件で過去1年のパフォーマンスの良いファンド
上記の2条件を満たし、過去1年のトータルリターンで上位10位までのファンドランキングは以下の通りです(上から下へ、トータルリターン率が高いものから順に並んでいます)。ここで言うトータルリターンとは、分配金再投資での収益率(リターン)を年率換算した数値となっています。
順位 | ファンド名 | 運用会社 | 純資産(億円) | トータルリターン(1年実績年率) | 信託報酬(年率・税込) | 買付手数料 |
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グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド | 三菱UFJ国際投信 | 3,420 | 23 | 2.376 | なし |
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新世代成長株ファンド | 大和投資信託 | 183 | 23 | 1.6416 | あり |
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日本トレンド・セレクトハイパー・ウェイブ | 日興アセットマネジメント | 173 | 22 | 0.9936 | あり |
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ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし) | 大和投資信託 | 6,030 | 22 | 1.6416 | あり |
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グローバル・ヘルスケア&バイオ・オープンBコース(為替ヘッジなし) | 三菱UFJ国際投信 | 168 | 21 | 2.376 | なし |
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三菱UFJ日本株アクティブ・ファンド | 三菱UFJ国際投信 | 209 | 21 | 1.62 | あり |
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フィデリティ・欧州株・ファンド | フィデリティ投信 | 145 | 20 | 1.6524 | なし |
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利益還元成長株オープン | 日興アセットマネジメント | 382 | 20 | 0.8856 | あり |
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ダイワ・グローバルREIT・オープン(毎月分配型) | 大和投資信託 | 1,412 | 19 | 1.5984 | あり |
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フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし) | フィデリティ投信 | 9,433 | 19 | 1.512 | あり |
(注)トータルリターンの年率は小数点以下で四捨五入
出所:楽天証券ウェブサイトをもとに投信1編集部作成(2015年10月5日時点)
運用で大きく成長したヘルスケア&バイオ・ファンドの「健太」と「健次」
スクリーニング結果1位の三菱UFJ国際投信の「グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド」(愛称:「健次」)と5位の「グローバル・ヘルスケア&バイオ・オープンBコース(為替ヘッジなし)」(愛称:「健太」)は1年のトータルリターンもさることながら、長期のパフォーマンスも優れています。
これらのファンドは、運用指図に関しては、米国のウエリントン・マネージメント・カンパニー・エルエルピーが担当しており、米国市場の好調さやヘルスケアとバイオセクターの株価もさることながら、同社のボトムアップリサーチも機能してきたとみられます。
いずれのファンドの分配金政策の実績も、基準価額10,000円を超える分について実施しており、こうした分配金ポリシーは明確で、親切です。
信託報酬の高さが目立つのは運用をウエリントンに委託している設計が背景だと思われますが、これまでの高いパフォーマンスを考慮すれば、十分割に合った費用と言えるでしょう。
意外に頑張った日本株ファンド
2位の大和証券投資信託委託の「新世代成長株ファンド」、6位の三菱UFJ国際投信「三菱UFJ日本株アクティブ・ファンド」、8位の日興アセットマネジメントの「利益還元成長株オープン」は、日本株のアクティブファンドとしてランクインしています。これら3ファンドはいずれもしっかりTOPIXを上回る成績を上げており、信託報酬に見合った仕事をしたと言えるでしょう。
信託報酬の低いインデックスファンドは引き続き注目を浴びていますが、やはりボトムアップリサーチで良い銘柄を組み込み、ベンチマークを大きく上回る可能性を秘めているアクティブファンドには醍醐味があるのではないでしょうか。
そしてお決まりの毎月分配金型
上記以外に目立つのは、REIT(リート)の毎月分配型投信です。トータルリターンの計算は再投資前提ですが、実際は毎月分配されているので、仮に個人で分配部分を再投資したとすれば、手数料などもかかります。したがって、実際には上に示されているパフォーマンスとは異なるのですが、良好なパフォーマンスを上げているのを見ると、毎月分配型ではないREITを検討するのもいいかもしれません。
LIMO編集部