3. 働く高齢者の方に朗報?在職老齢年金の基準額が引き上げの予定
現行制度において、企業には就労を希望する従業員を65歳まで雇用する義務があります。実際に、60歳以上になっても働く方は増えており、さらに65歳以上になっても働き続ける方も少なくありません。
働きながら年金を受給する方にとって、ネックとなる制度が「在職老齢年金制度」です。在職老齢年金は、60歳以上の方が働きながら老齢厚生年金を受け取る場合に影響します。
年金額と賃金の合計が一定額を超えると、年金が一部または全部支給停止となる仕組みです。
2025年度の基準額は「51万円」で、老齢厚生年金の月額と給与の合計が月51万円を超えると、超えた分の半額の年金がカットされます。
高齢者の就労参加を促すために、2026年4月から「62万円」に見直される予定です。
引き上げが実現すれば、60歳以上で年金を受け取りながら働くほとんどの方は、年金がカットされずに済むでしょう。
在職老齢年金は「高齢者の就労意欲を削ぐ」という批判が、以前からされていました。実際に、これまでも基準額が引き上げられており、最終的に制度そのものの廃止についても議論されています。
今後も少子高齢化に伴う労働力不足により、活躍する高齢者の方は増えていくでしょう。年金制度の改正は高齢者の収入に直結するため、最新情報をチェックしてみてください。
4. まとめにかえて
年金受給額は個人差が大きく、年齢による変動もあります。国民年金は比較的安定している一方、厚生年金は80歳代で最も高額となる傾向があります。
ただし、これらのデータは平均値であり、実際の受給額は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」などを通じて個別に確認しましょう。
また、在職老齢年金の基準額引き上げにより、働く高齢者の収入環境は改善される見込みです。少子高齢化社会において高齢者の活躍がますます重要となる中、年金制度の最新動向を把握し、個人の状況に応じた生活設計を立てることが大切です。
参考資料
柴田 充輝