パウエル議長の利上げ打ち止め発言を受けて反発
2019年1月11日の日経平均株価の終値は、前日より195円90銭高の20,359円70銭となりました。前週の大発会は「アップルショック」などの影響により大幅下落となり、今年の相場の先行きが懸念されるところでした。
しかし、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が4日、利上げを一時停止する考えを示したことから投資家心理が改善。同日に発表された昨年12月の雇用統計も非農業部門の雇用者数が市場予想を大幅に上回ったこともあって、投資家の間にリスクオンの動きが広がり、ダウ工業株30種平均は急反発しました。米株高、円安が後押しとなり、日経平均も週初から大幅反発しました。
今週以降の動きはどのようになるでしょうか。懸念されるのは米国株の行方です。ここ数か月、世界の株価が米国の株式相場に振られる展開が続いています。ダウが下がると日本株も売られるといった状況です。国内ではゆるやかな景気拡大が続き、企業の業績も堅調です。それにもかかわらず、外的要因に一喜一憂するような動きになっており、株価に反映されてきません。
もう一つ心配なのは中国経済です。アップルが業績の見通しを下方修正したように、中国の景気に減速感があります。ただし貿易摩擦については、米中政府が9日まで開いた次官級協議で進展があったとみられ、リスクはやや後退しています。また、中国の当局は鉄道などへの投資を推進したり、中国人民銀行が預金準備率を引き下げたりするなど、景気回復へのてこ入れを進めようとしています。
一方で、14日には中国の2018年12月の貿易統計が発表されましたが、約2年2か月ぶりに輸出・輸入ともに前年同月を下回るという結果で世界経済への影響が懸念される状態になっています。
また、米政府機関の一部閉鎖が続いているなど、米トランプ大統領の動向も相場上昇の足かせになりそうです。
今月半ばからは12月期企業の10~12月期決算発表が本格化してきます。米国、日本ともに好業績の銘柄が物色されるでしょう。一方で、一部の大型株が株価の平均に影響を与え、乱高下するような動きになるかもしれません。