株式市場の振り返り-日経平均株価は4日ぶり反落、利益確定売りに押される

2019年1月10日(木)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 20,163円(▲263円、▲1.3%) 4日ぶり反落
  • TOPIX 1,522.0(▲13.1、▲0.9%) 4日ぶり反落
  • 東証マザーズ総合指数 885.7(▲10.6、▲1.2%) 5日ぶり反落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:639、値下がり銘柄数:1,426、変わらず:63
  • 値上がり業種数:7、値下がり業種数:26
  • 昨年来高値更新銘柄数:1、昨年来安値更新銘柄数:9

東証1部の出来高は13億892万株、売買代金は2兆2,968億円(概算)となり、いずれも前日並みでした。特段大きなニュースが出たわけではありませんが、為替相場が円高に振れたことなどから、利益確定売りが優勢となりました。ただ、依然として模様眺めムードも強く、ほぼ前日並みの商いとなっています。

そのような中、日経平均株価は終日マイナス圏での推移となりました。寄り付き直後は▲81円安と小幅下落に止まったもの、その後は下げ幅を拡大して前場の終盤には一時▲325円安まで売られる場面も見られました。後場は20,200円前後で膠着状態となり、結局は4日ぶりの反落で引けています。

なお、TOPIXも同じような値動きで4日ぶりの反落でしたが、下落率は日経平均株価より小幅に留まりました。これは、日経平均株価を構成する主力大型株への売りが優勢だったことを示唆しています。

東証マザーズ総合指数は5日ぶり反落、売買代金は3日連続の1,000億円超え

東証マザーズの出来高は9,060万株、売買代金は1,149億円となりました。出来高は前日より増えましたが、売買代金は減っています。売買代金は前日比で減少したものの、引き続き個人投資家の物色意欲に改善の兆しが見られ、売買代金は3日連続で1,000億円を上回りました。

ただ、一部主力株が利食い売りに押された結果、総合指数は5日ぶりの反落で引けました。今後は引き続き、個人投資家の物色意欲の回復が大きなカギになると思われます。

業績下方修正の良品計画が▲10%超安の暴落、東京エレクトロンは4日続伸

個別銘柄では、ファーストリテイリング(9983)、ソフトバンクグループ(9984)、ファナック(6954)など株価指数への寄与度の高い主力株が大幅安となり、花王(4452)、資生堂(4911)、キッコーマン(2801)などディフェンシブ銘柄も総じて大幅下落となりました。

また、前日の決算発表で通期業績予想(営業利益、経常利益)を下方修正した良品計画(7453)が▲10%超安の暴落となり、昨年来安値を更新しています。

さらに、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)、ケーズホールディングス(8282)など小売株の一角が急落したのが目を引きました。

その他では、コマツ(6301)と日立建機(6305)の建機株が大幅下落となり、ハイテク株ではソニー(6758)、村田製作所(6981)、富士通(6702)などが大きく値を下げて引けています。

一方、東京エレクトロン(8035)が堅調に推移して4日続伸となり、KDDI(9433)も小幅上昇となりました。

また、円高進行にもかかわらずトヨタ自動車(7203)、スズキ(7269)など自動車株の一角や、ローム(6963)、オリンパス(7733)などハイテク株の一角が上昇しています。

新興市場(東証マザーズ)では、MTG(7806)が急落して昨年来安値(上場来安値でもあります)を更新し、メルカリ(4385)、サンバイオ(4592)も大きく値を下げました。一方、ブライトパス・バイオ(4594)が値を飛ばしてストップ高となり、CYBERDYNE(7779)も久々の大幅高となっています。

葛西 裕一