3. 年金受給世帯はふるさと納税ができる?
家計の負担を実質的に軽減する効果がある「ふるさと納税」。寄附額に応じた返礼品を受け取りつつ、ポータルサイト独自のポイント還元を受けられる点が好評を得ています。
しかし、2025年10月1日以降、寄附に伴ってポイントの付与を受けられなくなります。2025年9月末までに「駆け込み寄附」をする人も、今後出てくるでしょう。
年金受給世帯の方でも、ふるさと納税の恩恵を受けることは可能です。しかし、65歳以上の方は受給できる年金額が200万円以上なければ、ふるさと納税のメリットは受けられません。
年金受給世帯でふるさと納税をする方は、「本当に制度を利用するメリットがあるのか」を慎重に判断しましょう。控除を受けられなければ、文字通りただの寄附に終わってしまう(返礼品は受け取れます)ため、むしろ家計が苦しくなってしまいます。
4. まとめにかえて
年金受給額は年齢や制度による違いがあり、個人の加入期間や報酬によって大きく左右されます。国民年金のみの場合は月5万円台と生活には不十分な水準であり、厚生年金でも14万円台となっています。
このような現実を踏まえ、現役時代からの資産形成や長期就労の検討が重要です。また、家計負担軽減策としてふるさと納税を考える場合も、年金額が一定水準に達していなければメリットを享受できません。自身の年金見込額を把握し、老後の生活設計を立てることが安心につながります。
参考資料
柴田 充輝
執筆者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1000記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。
監修者
マネー編集部社会保障班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに社会保障制度や社会福祉、公的扶助、保険医療などをテーマに関する記事を執筆・編集・公開している。
マネー編集部社会保障班は、地方自治体職員出身の太田彩子、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子など、豊富な経験と知識を有した編集者で構成されている。表彰歴多数の編集者も複数在籍。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務や、国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担った実務経験者も在籍している。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年8月26日)