老後に向けていくらお金を貯めるべきか。答えは1つではありません。世帯により異なるからです。

年金はいくらか、年金以外の収入はあるのか、生活費はどれくらいか、不測の事態に備えてどれくらい余裕を持たせておくべきかなど、さまざまな要素が絡み合います。

また、現時点で定めた目標額やそれに向けた計画は、定期的に見直す必要があります。インフレによりお金の価値が変わることに加え、社会保障制度は社会経済に合わせて変化していくからです。

本記事では、冒頭で2025年6月13日に成立した「年金制度改正法」の内容を紹介します。たとえばどういうものが変わるのかを確認しておきましょう。そのあと、70歳代の貯蓄額や年金額、家計収支データをご紹介しますので、老後がどういうものかをイメージしてみてください。

1. 2025年6月13日「年金制度改正法」が成立、何が変わる?

2025年6月13日、年金制度改正法が成立しました。働き方や家族構成などの多様化に合わせた年金制度の整備、私的年金制度の拡充などにより、老後の暮らしの安定や、所得保障機能の強化に繋げていくことが主な狙いです。

今回の改正の主な見直しポイントを整理していきましょう。