かつては、国立大学の授業料は私立に比べてかなり割安という印象があったと思います。実際、上記の金額を見ても、1975年度の国立大学の授業料は私立大学の約2割でした。それが1980年度には約5割、1995年度以降は6割を超えるなど、その差は縮まる傾向にあります。

ただ、国立大学の授業料は2005年度からずっと53.5万円になっています。2005年度から国立大学法人化制度が始まり、各国立大学が国の定める53.5万円という標準額を基準にして自由に決定することができるようになりました。しかし、ほとんどの国立大学がこの標準額を授業料にし、それを据え置いているようです。

おわりに

日本学生支援機構などが朝日新聞に明らかにしたところによると、2016年度に国から借りた奨学金が返せずに自己破産となったケースは3451人で、5年前より13%増えているといいます。一方、少子化の影響で私立大学の定員割れが増加し、帝国データバンクの調査では3期連続赤字になった私大が約2割と、大学側の経営状態にも厳しいものがあります。

子どもに十分な教育を受けさせたいというのが親心ではありますが、その経済的負担はなかなか軽くなることはなさそうです。

LIMO編集部