3. 手続きはどんな流れ?実際のステップを解説

生活保護を申請する際の流れは、以下のとおりです。

  • 事前の相談:住んでいる地域を所管する福祉事務所の生活保護担当で相談する
  • 保護の申請:保護の決定のために、財産調査や扶養義務者の調査を行う
  • 保護費の支給

財産調査や扶養義務者の調査では、生活状況を把握するための家庭訪問や預貯金・保険・不動産などの資産調査が行われます。扶養義務者の送りによる援助の可否も調査され、「本当に生活保護を使わないと事態を解決できないのか」が調査されます。

4. 生活保護費の引き下げに違法判決

生活保護費に関する判決が話題になっています。

最高裁判所は、国が2013年から段階的に行った生活保護費の引き下げについて「厚生労働大臣の判断に誤りがあり違法」とする判決を言い渡しました。

国は、物価下落を理由に3年間で最大10%の減額を実施しました。

しかし、最高裁は「物価変動率だけを指標にした判断は専門的知識と整合性を欠く」と指摘し、厚生労働省の定めた生活保護の基準額について「違法」と判断しました。

なお、判決を受けて原告団と弁護団は厚生労働省に対して、未払い分の訴求支給を要求しています。今後の進展次第では、生活保護の基準額にも影響が出るかもしれません。

5. まとめにかえて

生活保護制度は単なる経済的支援ではなく、自立を促進する総合的な制度です。

生活に困窮している方は、まず最寄りの福祉事務所に相談し、他の制度も含めて総合的な支援を検討しましょう。

ただし、働ける能力がある場合は働いて生活を自立させるのが筋であり、申請には世帯全体の状況が詳しく調査される点は押さえておきましょう。

参考資料

柴田 充輝