人生100年時代と言われていますが、老後の生活は年金とそれまでの貯蓄を切り崩して生活する人がほとんどだと思います。

平成29年12月に厚生労働省が公開した「平成28年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の月あたり平均受給額は全体で14万5000円ほど。男性の平均的な月額は約17万円、女性は約10万円となっています。

夫婦が共働きを続けて老後を迎えるのであれば、合わせて約27万円になりますが、妻が途中で専業主婦になり途中から夫の扶養に入る場合など、加入年数により受給額は変わります。

しかし、年金だけで生活ができるか、そもそも年金がちゃんと受給できるか不安な人も多いのではないでしょうか? そこで、少しでも老後の不安を減らすために何ができるのか考えて行きましょう。

iDeCoで厚生年金の不足分を補う

iDeCoとは、「個人型確定拠出年金」の愛称で、60歳まで自分で決めた掛け金を毎月支払い、投資信託、定期預金、保険などで運用し、60歳以降に受け取る仕組みのことです。

運用した資産は「一時金」「年金」「一時金と年金の両方」のどれかを選択して60歳から70歳の間に受け取ります。

運用して利益を得ることができる可能性もありますし、もし利益を得ることができた場合、本来なら利益の20.315%が課税になるところ非課税になるという節税効果にも期待できます。

デメリットとしては、運用が上手くいかなくなった場合は元本割れのリスクもあります。また、運用に使った資金は60歳を超えるまで引き出すことができません。

毎月支払えるか不安な場合もある思いますが、掛け金の変更・停止・再開はできるので、万が一毎月の支払いが難しくなった時はいったんストップして余裕ができたら再開することもできます。

積立定期預金や会社の財形年金貯蓄でコツコツ貯金

iDeCoは運用で元本割れのリスクが心配という場合、元本割れの心配がない積み立て定期をコツコツ貯金するのも良いでしょう。積立定期預金は毎月一定額を決めて普通預金から自動振替して積み立てることができます。

途中解約も可能で、引き出しすることもできるので、万が一のことを考えていつでも引き出せる状態にしておきたい人には向いています。

務めている会社で財形年金貯蓄がある場合は、こちらを利用するのも良いでしょう。給与から天引きされ、財形住宅貯蓄と合わせて、貯蓄残高550万円まで利子等に税金がかからないというのが特徴です。

財形年金貯蓄も途中で払出しできますが、年金以外の払出しの場合は、過去5年間(60カ月)の利子に課税されることは覚えておきましょう。

転職や副業で収入アップを目指す

貯蓄を増やすためには、収入を上げることも一つの選択肢です。

今の収入が少なく、日々の生活や子供の教育資金が優先で、老後資金まで捻出するのが困難だと感じるならば、転職を考えたり副業を始めるなどして収入アップを目指してはどうでしょうか。

今後も少子高齢化の進む日本に暮らす以上、税金や社会保障費の負担が増えるのは目に見えていますから、少しでも収入を増やすことを考える必要があるでしょう。

終身雇用も怪しくなっており、今の時代一つの企業にこだわる必要もないので、条件が良い企業があれば転職を考え、転職が難しい場合は副業で収入を得ることを考えましょう。

まとめ

医療の発展などで老後の時間が長くなったのはありがたいことです。しかし、だからこそ老後資金を計画的に貯める必要があります。老後は自分たちの生活だけではなく、孫へのお小遣いなどにも意外とお金がかかるものです。

退職金に期待できる場合は良いですが、年金は今の水準を保てるかは疑問ですし、受給年齢がもっと上がる可能性も考えられるでしょう。投資で大当たりでもしない限り急激にお金を増やすことはできないので、iDeCoや積立定期、財形年金貯蓄など自分に合ったものを選び、コツコツ貯めていくのが一番です。

ただ、そもそもの収入がなければ貯蓄に回すこともできないので、転職や副業で少しでも収入を増やすことも視野に入れてみてください。

LIMO編集部