2025年6月に「年金制度改革法」が成立し、私たちの年金制度は新たな局面を迎えています。特に、働き方や家族構成の多様化に対応するための見直しは、多くの方の関心事でしょう。
老後の生活を支える年金は、個々人の働き方や保険料の納付状況によって受給額に大きな差が生じます。厚生労働省のデータを見ても、平均月額だけでは見えてこない、個々人の受給額の幅広さが示されています。
そうした中で、所得が一定基準以下の年金受給者を支える「年金生活者支援給付金」は、重要なセーフティネットとしての役割を担っています。この給付金は2025年度に2.7%引き上げられました。
今回はこの給付金の詳細について解説していきます。
1. 受け取る年金額には個人差がある
厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です。
ただしグラフのように、厚生年金を月額25万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額2万円未満となる人まで、幅広い受給額帯に分布しています。
年金とその他の所得を含めても、一定基準以下の所得となる場合には「年金生活者支援給付金」が受け取れる可能性があることをご存じでしょうか。