9. 第3号被保険者だった私。扶養外れるときの年金手続きはどうすれば?
会社員や公務員(第2号被保険者)の配偶者として扶養されていた人(第3号被保険者)が、以下の理由で扶養から外れるとご自身の国民年金の被保険者区分が変わります。
9.1 第3号被保険者が「扶養から外れる」ケースとは
- 配偶者(第2号被保険者)が勤め先を退職したとき
- 配偶者(第2号被保険者)が65歳を超えたとき
- 配偶者(第2号被保険者)が亡くなったとき
- 配偶者(第2号被保険者)と離婚したとき
- 第3号被保険者である主婦・主夫の収入が増え、配偶者の被扶養者から外れたとき
9.2 第3号被保険者が「扶養から外れる」手続きをケースごとに整理
第1号被保険者となる場合
- お住まいの市区町村の窓口で、第3号被保険者から第1号被保険者への切り替え手続きが必要です(※)。
- ご自身で国民年金保険料を納付します。
※「配偶者と離婚した」「収入増により配偶者の被扶養者から外れた」場合は、市区町村の窓口と、第2号被保険者の勤務先への届け出が必要です。
第2号被保険者となる場合
- 勤務先を通じて厚生年金への加入手続きをする
-
勤務先と折半して、給与からの天引きで年金保険料を納付する
第3号被保険者だった期間は、年金保険料の自己負担の必要はありませんが、将来の年金額にしっかりと反映されます。
一方、扶養から外れると国民年金保険料を自分で納める「第1号被保険者」、もしくは厚生年金へ加入して働く「第2号被保険者」となるのが原則です。
その後の働き方や過ごし方によって、加入する年金は異なります。扶養を外れた際は必要な手続きを速やかにおこないましょう。
10. まとめにかえて
今回は、年金のしくみの基本から、シニア世代の受給額事情、さらには働き方が老後の年金に与える影響などを、厚生労働省の一次資料をもとに解説してきました。
老後の年金額はそれまでの年金加入状況が反映されるため、「平均」はあくまでも参考値に過ぎません。
大切なのは、ご自身の正確な年金記録を知ることです。「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を活用し、ご自身の年金見込額を具体的に把握することから始めてみましょう。
また、先日成立した年金制度改正法は、多くの人の暮らしや仕事に関わりが深い内容となっています。
働き方や過ごし方を考える上で、「年金との関係」にも着目してみると良いかもしれませんね。
参考資料
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構 年金用語集「た行 特定事業所」
- 日本年金機構「厚生年金の保険料」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 政府広報オンライン「年金の手続。国民年金の第3号被保険者のかたへ。」
- 日本年金機構「国民年金の第3号被保険者制度のご説明」
マネー編集部年金班