3. 運用利回りが与える影響は?

先ほどは運用利回りを年率3%でシミュレーションしましたが、実際の資産運用は利益が期待できるだけでなく、価格変動リスクが伴います。

また、価格変動は、景気や相場などに影響される傾向にあります。

そのため、運用利回りの違いによって、どのくらい2000万円貯めるために必要な期間が異なるのかを知っておくことも大切です。

月1万円の積立投資の場合で、2000万円貯めるために必要な期間をシミュレーションしてみましょう。

シミュレーションの結果は、以下のとおりです。

運用利回りが与える影響は?

運用利回りが与える影響は?

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」を基に筆者作成

3.1 【運用利回り別】月1万円の積立投資で2000万円貯めるために必要な期間

運用利回り 必要な積立期間

  • 年率1% 60年8カ月
  • 年率2% 49年1カ月
  • 年率3% 41年10カ月
  • 年率4% 36年9カ月
  • 年率5% 32年11カ月
  • 年率6% 30年

年率1%で運用した場合と、年率6%で運用した場合とでは、2000万円貯めるために必要な期間は2倍も違います。

なお、日本の年金を運用するGPIFは国内外の債券や株式に分散投資していますが、過去23年間の平均運用利回りは年率4.24%となっています。

そのため、一つの目安にしてみてもよいかもしれません。

4. 家計や資産の状況などをよく確認したうえで、資産運用について検討しましょう

Yusuke Ide/istockphoto.com

2000万円貯めるには、基本的に長い期間が必要です。

そのため、少額でもよいので、将来に向けて少しずつでも準備を進めていくことが大切です。

資産運用で2000万円貯めることを目指す場合、時間を味方につけて早くからはじめることで、複利の効果によるメリットが得られる可能性が期待できます。

ただし、資産運用は利益が期待できるだけでなく、価格変動リスクが伴います。

そのため、金融商品ごとに異なる特徴や、家計や資産の状況などをよく確認したうえで、資産運用について検討するようにしましょう。

参考資料

苛原 寛