4. 「遺族厚生年金の見直し」影響がある人は?ない人は?

それでは、今回の年金制度改正で影響がある人、ない人を見ていきましょう。

4.1 見直しの対象者

  • 18歳年度末までの子がいない、2028年度末時点で40歳未満の女性
  • 18歳年度末までの子がいない60歳未満の男性

女性に関しては、今回の改正による影響が大きくならないように、20年かけて段階的に引き上げられていきます。

具体的には、2028年4月から無期給付の対象を30歳以上から40歳以上に引き上げ、その後、20年をかけて対象年齢を1歳ずつ引き上げていきます。最終的には無期給付の対象者は60歳以上となるようにします。

4.2 今回の見直しの影響を受けない方

①既に遺族厚生年金を受給している方
②60歳以降で死別された方
③18歳年度末までのこどもを養育する間にある方の給付内容
④2028年度に40歳以上になる女性

既に遺族厚生年金を受け取っていたり、18歳未満の子がいる人は見直しの影響はありません。

5. まとめにかえて

今回の記事では、「遺族厚生年金の見直し」について、お伝えしました。

遺族厚生年金が5年の有期給付に変更されたことで、5年で打ち切られるように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、低収入など特段の配慮が必要な場合は、5年を過ぎても給付が継続されます。

子のない妻や子のない夫に関しては、大きく内容が変更することになった今回の「遺族厚生年金の見直し」ですが、今までにも指摘されていた「男女の給付格差」を解消することを目的として改正されました。

給付期間が5年に短縮されることで、配偶者と死別した場合のライフプランに影響が出る可能性があります。今一度、ライフシミュレーションをおこなって、家計にどのような影響があるか確認しておきましょう。

必要であれば保険などに加入して、万が一に備える対策をおこなうことも一案です。

参考資料