1. 日経平均は地政学リスクの高まりを受けて続落
2025年6月20日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日比85円11銭安の3万8403円23銭となりました。小幅ながら続落です。トランプ米大統領が19日、イランへの軍事行動を2週間以内に決めると表明したことから、地政学リスクの高まりが懸念されました。投資家の間にリスク回避の動きが広がりました。
同日は米市場が奴隷解放記念日(ジューンティーンス)の祝日で休場だったことから、翌日の東京株式市場では買い材料も少なく、週末を前に利益確定売りが出やすい局面でした。東証プライムの売買代金は概算で6兆6964億円、売買高は27億7289万株と、それぞれ4月7日以来の高水準となっています。
今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、祝日前の18日に比べ35ドル16セント高の4万2206ドル82セントで終えました。ただし、その後、中東情勢がさらに緊迫します。トランプ米大統領は21日(日本時間22日午前)、イランの核施設を攻撃したと発表しました。当初は、イランへの軍事介入について「2週間以内」と交渉の猶予期限を示していました。イランは「重大な国際法違反」と反発し、報復攻撃を検討しているとも伝わっています。週末も取引される「サンデーダウ」と呼ばれる米ダウ工業株30種平均の差金決済取引(CFD)は、日本時間22日の取引で20日終値から一時1%あまり下げました。23日の東京市場で、日本株も下値圧力が高くなりそうです。
イランは中東での影響力を保つため、ホルムズ海峡を封鎖する可能性もあります。同海峡はエネルギー供給の大動脈であることから原油価格の高騰にもつながります。そうなると日本企業の経営にも影響が出ます。
22日に投票が行われた東京都議選では、自民党は政治資金パーティー収入の不記載問題などの影響で第1党を守れず、都議選の獲得議席としては過去最低となりました。都議選は7月に予定される参院選の前哨戦と位置づけられていました。海外投資家は政権基盤の弱体化はネガティブイメージを持ちがちなだけに、今後の相場の動向に注目が集まります。