4. 「在職老齢年金制度」の見直し
年金制度改正法の「在職老齢年金制度」の見直しについて確認しましょう。
4.1 在職老齢年金とは
60歳以降で老齢厚生年金を受給しながら働いている場合、年金額と報酬(給与・賞与)の合計が基準額を超えると、年金の一部または全額が支給停止になるのが「在職老齢年金」制度です。
4.2 在職老齢年金の支給停止調整額(年金が全額支給される基準額)
支給停止基準額の推移については以下のようになっており、今回の改正(2026年4月から適用)は62万円へとなりました。
- 2022年度:47万円
- 2023年度:48万円
- 2024年度:50万円
- 2025年度:51万円
- 2026年度:62万円
これにより働き控えをしていた方も働きやすくなるでしょう。60歳以降、どんな生活をするか、いつまで働き続けるかなどを考えてみましょう。
5. 老後の貯蓄が足りなさそうなら早めに行動しよう
老後資金については、何から手をつけていいかわからない方もいます。そのような人は、まず1カ月の支出からチェックしてみてください。
単にメモをつけて確認するだけではなく、本当に必要な支出かどうかまで吟味できるといいですね。特に以下のようなものは慎重に確認することをおすすめします。
- サブスクリプション
- 保険料
- 通信費
サブスクリプションは解約が面倒で入り続けてしまったり、保険料については過度な保険に入っていたりする可能性があります。
不必要なものは解約する、保険については必要最低限のものにサイズダウンすることも考えましょう。
また、通信費については格安スマホを検討してみてください。人によっては、月に5000円、年間で6万円ほど削ることもあります。
そして、支出の見直しで余裕ができたら貯蓄に回していくといいでしょう。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」
宮野 茉莉子