3. 【65歳以上夫婦】「毎月の生活費は赤字?」家計収支について
総務省の家計調査によると、65歳以上の無職夫婦世帯の平均月収は25万2818円ですが、支出は28万6877円と、毎月3万4058円の赤字となっています。収入の大部分は公的年金で占められ、食費の割合を示すエンゲル係数は29.8%とやや高く、生活水準が低い傾向を示唆しています。また、収入以上に支出する平均消費性向が100%を超えているため、貯蓄を取り崩しながら生活している状況です。高齢期は安定収入が見込みにくいため、この赤字は長期的に貯蓄を減少させます。そのため、現在の貯蓄状況に応じた支出の見直しや、可能な範囲での収入確保など、慎重な生活設計が重要となります。
4. 「エンゲル係数」でわかる家計の健全性とは?
家計の状況を把握する上で参考になる「エンゲル係数」は、消費支出(いわゆる生活費)に占める食費の割合を示す重要な指標のひとつです。計算式は「食費÷消費支出×100(%)」と非常にシンプルです。
エンゲル係数=食費÷消費支出×100(%)
例えば、ある月の消費支出が10万円だったとします。そのうち、食費が3万円だった場合、エンゲル係数は(3万円÷10万円)×100=30%となります。
一般的に、エンゲル係数が高いほど家計に占める食費の割合が高く、生活水準が低い傾向にあるとされています。これは、所得が低いほど支出全体に対して生活に必要な食費の占める割合が大きくなるためです。
逆に、所得が増えると食費以外の多様な支出が増えるため、エンゲル係数は低くなる傾向があります。ただし、子育て世帯や高齢者の単身世帯のように、年代や世帯構成によって食費の割合は自然と変動するため注意が必要です。エンゲル係数が急に上昇した際は、単に食費が増えただけでなく、他の支出を抑えている可能性もあるため、家計全体の状況を再確認しましょう。