3. 厚生年金「月額15万円以上」割合
厚生労働省年金局が公表する「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の男女全体の平均月額は「14万6429円」です。
15万円弱となっており、さらに言うとこの金額には1階部分の国民年金が含まれています。受給額ごとの人数分布は以下のとおりです。
3.1 厚生年金の受給額ごとの受給権者数
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金の金額を含む
毎月15万円以上受給している男性は766万9878人で、男性受給権者の約72.3%を占めています。一方、毎月15万円以上受給している女性は35万8290人で女性受給権者の約6.6%にとどまります。
以上のことから、男性と女性の間の年金格差が顕著であることがわかります。
厚生年金の男女間の格差は、主に現役時代の多様な働き方や賃金構造の違いに起因すると考えられます。特に女性は、出産や育児といったライフイベントによるキャリアの中断、あるいは家事・育児の分担が偏ることで非正規雇用を選択せざるを得ない状況に直面することが少なくありません。これらの要因が、保険料の納付期間や納付額に差を生じさせ、結果として老後の年金受給額に大きな開きをもたらす一因となっていると考えられます。