5. 【調査結果】非課税となる年代の割合とは?

【一覧表】住民税課税世帯の年代別割合

出所:厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成

厚生労働省の「令和5年国民生活基礎調査」でも、住民税が課税される世帯の割合は、30~50歳代では約90%だったものが、60歳代78.3%→70歳代64.1%→80歳代47.5%と、シニアほど低くなっています。

金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024」では、二人以上世帯のうち60歳代の32.6%、70歳代の30.6%が「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と答えています。

また年金ではゆとりがないと考える世帯の約6割が、物価上昇による支出増を懸念。次いで、医療費や介護費の個人負担増に対する不安感が見える結果となりました。

6. さまざまな「住民税非課税世帯」対象の支援策

住民税非課税世帯となり、支援を必要としているのはシニア世代だけではありません。

厚生労働省が2025年3月14日に公表した「生活保護の被保護者調査(令和5年度確定値)」によると、生活保護を受けている世帯は、2023年度(2023年4月~2024年3月)1カ月平均で164万2063世帯(※保護停止中を含まず)

このうち高齢者世帯を除く世帯が占める割合は44.7%。母子世帯3.9%、障害者・傷病者世帯計25.0%、その他の世帯15.8%の構成比となっています。

住民税非課税世帯を対象とする支援は、今回の「3万円給付」のような一時的に支給されるもの以外にもあります。

国が実施する制度としては、

  • 国民健康保険料の大幅軽減
  • 高額療養費制度の負担限度額引き下げ
  • 介護保険料の負担軽減
  • 幼児教育・保育の無償化(0~2歳児も対象)
  • 高等学校の修学支援

などが挙げられます。

また、水道・下水道料金の減額措置や、市営・都営住宅などの公的賃貸住宅の優先入居など、自治体独自で設定されている優遇措置もあります。お住まいの自治体の情報を確認し、対象となった場合は活用していきましょう。

7. まとめにかえて

今回は住民税非課税世帯とはどういう世帯があてはまるのか、その条件等について解説してきました。
 
住民税非課税世帯にあたるケースは「①生活保護を受けている」「②障害者、未成年者、寡婦、ひとり親で、前年の所得が135万円以下である」もしくは「③前年の所得が各市町村などの基準を下回る」の3つです。
 
3つ目の条件については、各市町村で基準が異なります。
 
病気やケガで休職して前年に比べて給料が大幅に減った方や、退職して収入がないという方は自分が住んでいる市町村の基準がどうなっているか、しっかり確認しておきましょう。
 
また、住民税非課税世帯と言えば、今話題となっている「国民一律2万円給付」の政策案において追加で2万円の給付、合計で4万円の給付金を受け取れるとなっています。
 
この政策案が実際に実施されるかはまだ分かりませんが、自身が住民税非課税世帯の条件にあてはまるかはしっかり確認しておきましょう。
 
特に、年金生活を送る高齢者は住民税非課税世帯となりやすいため、自身の所得とお住まいの自治体の基準がいくらかは漏れがないようチェックしておきましょう。

参考資料

鶴田 綾