2025年も後半に入り、本格的な夏の訪れとともに、物価上昇のニュースが家計に重くのしかかっています。特に年金生活を送る方々にとって、日々の暮らしのやりくりは大きな課題なのではないでしょうか。
厚生労働省のデータによると、公的年金の平均月額は国民年金で5万円台、厚生年金でも14万円台と示されていますが、これはあくまで平均であり、実際の受給額には大きな個人差があります。
中には、平均を下回る年金で生活している方も少なくありません。そのような状況下で、年金収入が少ない方を支援するための制度として、「年金生活者支援給付金」があることをご存じでしょうか。
本記事では、この「年金生活者支援給付金」の具体的な内容や2025年度の給付額引き上げについて詳しく解説します。
1. 【年金が少ないシニア向け】「年金生活者支援給付金」制度とは
厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です。
ただしグラフのように、厚生年金を月額25万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額2万円未満の低年金となる人まで、幅広い受給額帯に分布しています。
年金とその他の所得を含めても、一定基準以下の低所得となる場合に受け取ることができる「年金生活者支援給付金」があることをご存じでしょうか。
次では、この「年金生活者支援給付金」の支給要件や金額について整理していきましょう。
1.1 2カ月に一度、年金に上乗せされる
「年金生活者支援給付金」は、年金収入やその他の所得額が一定基準額以下の年金生活者を支援する目的で、2カ月に一度、年金に上乗せして支給される給付金です。
2019年に始まった比較的新しい制度なので、聞きなれない人もいるかもしれません。受給中の年金に合わせて、以下の3種類の給付金が設定されています。
- 老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
次では年金生活者支援給付金の「給付額」や「支給要件」について見ていきます。