6月も後半に入り、夏の計画を立て始めるご家庭も多い頃ではないでしょうか。進学や将来に関する話題が増えるこの時期、子どもの就職先や教育費について考える機会も増えてきます。
今回はリスクモンスター株式会社の「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」調査をもとに、親世代が子どもや孫に望む就職先の傾向と教育費の実態、とりわけ私立大学の初年度の学費について解説します。

1. 【ランキングから見える親の願い】子ども・孫に勤めてほしい企業とその理由

与信管理支援などを手がけるリスクモンスター株式会社が実施した第13回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」調査は、 未成年の子ども・孫をもつ20~69歳の男女800人を対象に、全国で実施されたインターネット調査です。
「子どもや孫にはどんな企業に勤めてほしいのか?」みていきましょう。

1.1 親が選ぶ就職先ランキング、公務員が不動の人気

第13回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」/ランキングトップ20

第13回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」/ランキングトップ20

出所:リスクモンスター株式会社「第13回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」」

「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」ランキングトップ20の調査結果では、地方公務員が14.4%で1位、国家公務員が13.4%で2位でした。前回調査では国家公務員が1位・地方公務員が2位だったので公務員人気が根強いことがわかります。「安定性」や「生活基盤の安心感」が支持されている様子がうかがえますね。
3位以下にはトヨタ自動車(9.9%)、パナソニック(5.8%)、任天堂(5.4%)など、社会的に信頼の厚い大手企業が並び、親世代が“安心して働ける企業”を意識して選んでいる傾向が見て取れます。航空業界、電機メーカー、商社など、インフラや生活に密着した産業の企業が多数を占めている点も特徴です。

1.2 「安定」「やりがい」「働きやすさ」が企業選びの3本柱

第13回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」/重視するイメージ

第13回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」/重視するイメージ

出所:リスクモンスター株式会社「第13回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」」

「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業で重視するイメージ」の調査結果で、最も多く挙がったのは、「経営が安定している」という項目で、全体の46.8%が選択しています。
次いで多かったのは「やりがいがある」(42.0%)と「過重労働・ハラスメントがない」(41.6%)で、単に年収や知名度ではなく「働く環境の健全さ」や「長く続けられる仕事」であることが重視されているのが印象的です。男子に関しては「ハラスメントがない」が最も高く、職場の安心感に対する関心がより強いことがわかります。

1.3 趣味・特技などの《好き》を活かして活躍してほしいという親心

第13回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」/期待する働き方

第13回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」/期待する働き方

出所:リスクモンスター株式会社「第13回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」」

「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業で期待する働き方」の調査結果で、最も多かったのは、「趣味・特技を生かした活躍」で全体で44.9%にのぼりました。特に孫世代に対しては50.3%と過半数を超えており、親や祖父母世代が“子どもの個性”を大切にしてほしいと願っている様子がうかがえます。
2位には全体で30.4%の「グローバル展開する企業で活躍」、3位には全体で30.0%の「業歴の長い企業で歴史を学んでほしい」が続き、安定した職場でありながらも、成長や広がりのある経験を求めていることが読み取れます。一方で、「フリーランスとして自由に働く」や「ベンチャー企業で活躍」といった選択肢は1割未満でした。

子や孫の将来について真剣に考える親世代の姿が、今回の調査からも浮かび上がりました。
「安心して働ける企業に就いてほしい」という願いの背景には、社会の変化だけでなく、教育にかける想いや負担も影響しているのかもしれません。
次に大学進学時、とりわけ私立大学への進学に際して必要となる費用の実態をみていきましょう。