国民健康保険料の支払いが今年も始まります。
6月中旬に保険料の決定通知書を送る自治体が多いため、手元に届いた方というもいるでしょう。
主に自営業や無職の方などが加入する公的な健康保険である、国民健康保険。その保険料の負担は決して軽くありません。
2025年度は、国民健康保険料の上限額も106万円から3万円アップして109万円となりました。
つまり、年間で100万円以上の健康保険料を支払う人もいるということです。
保険料のしくみや所得500万円の人の目安額などについて、詳しく見ていきましょう。
1. 国民健康保険とは?加入対象者などをわかりやすく解説
日本は国民皆保険制度となっており、誰もが何らかの公的健康保険に加入しています。
就職や転職によって保険の手続きが発生するのはこのためです。
- 協会けんぽ…中小企業で働く従業員
- 組合管掌健康保険…大企業で働く従業員
- 共済組合…公務員や私立教職員
- 船員保険…船員
- 後期高齢者医療制度…75歳以上(一定の障害がある方は65歳以上)のすべての人
国民健康保険の加入対象者は上記にあてはまらない人で、会社等に勤めていない自営業の方などが該当します。
健康保険の内容は基本的に同じではあるものの、国民健康保険には「出産手当金」や「傷病手当金」などがありません。
保険料は、近年上昇が続いています。
2. 国民健康保険料の上限が2025年度も引き上げへ
国民健康保険料は、基本的に所得が上がるほど増加する仕組みにあります。
上限が設けられているため、一定の所得に達すれば誰もが同じ保険料になります。
この「上限額」について、近年は毎年増額が続いているのです。
ただし、限度額の超過世帯割合は一部のみなので、誰もが影響を受けるというわけではありません。
影響を受ける(賦課限度額に達する)高年収世帯の目安として、厚生労働省では以下のとおり試算を示しました。
- 2024年度:給与収入 約1140万円/年金収入 約1140万円(給与所得 約960万円/年金所得 約960万円)
- 2025年度:給与収入 約1170万円/年金収入 約1170万円(給与所得 約980万円/年金所得 約980万円)
とはいえ、高所得者以外には負担がないとは言えません。
もちろんケースによって異なるものの、国民健康保険料は他の健康保険料よりも高くなることも多いのです。
自治体によって保険料は異なりますが、目安として新宿区の国民健康保険料を見ていきましょう。
3. 【早見表】2025年度の国民健康保険料はいくら?所得ごとに確認
新宿区は2025年度の国民健康保険料について、下記のとおり公表しました。
2024年度からの推移でみてみましょう。
【所得:年間保険料(介護あり)】
- 0円:8万2100円→8万700円
- 25万円:8万2100円→8万700円
- 50万円:9万1655円→8万9555円
- 75万円 :12万5780円→12万1180円
- 100万円:15万9905円→15万2805円
- 125万円:19万4030円→18万4430円
- 150万円:22万8155円→21万6055円
- 175万円:26万2280円→24万7680円
- 200万円:29万6405円→27万9305円
- 225万円:33万530円→31万930円
- 250万円:36万4655円→34万2555円
- 275万円:39万8780円→37万4180円
- 300万円:43万2905円→40万5805円
- 325万円:46万7030円→43万7430円
- 350万円:50万1155円→46万9055円
- 375万円:53万5280円→50万680円
- 400万円:56万9405円→53万2305円
- 425万円 :60万3530円→56万3930円
- 450万円:63万7655円→59万5555円
- 475万円:67万1780円→62万7180円
- 500万円 :70万5905円→65万8805円
- 525万円:74万30円→69万430円
- 550万円:77万4155円→72万2055円
- 575万円:80万8280円→75万3680円
- 600万円:84万2405円→78万5305円
- 625万円:87万6530円→81万6930円
- 650万円:91万655円→84万8555円
- 675万円:94万4780円→88万180円
- 700万円:97万8905円→91万1805円
- 725万円 :101万3030円→94万3380円
- 750万円:103万3672円→96万9380円
- 775万円:104万1460円→99万5380円
- 800万円:104万8460円→102万1380円
- 825万円:105万5460円→104万7380円
- 850万円:106万円→106万3883円
- 875万円:106万円→107万608円
- 900万円:106万円→107万7333円
- 925万円:106万円→108万4058円
- 950万円:106万円→109万円
- 975万円:106万円→109万円
- 1000万円:106万円→109万円
前年は年間所得が850万円以上で上限となっていましたが、2025年度は950万円が上限の目安となっています。
例えば所得が500万円という場合、保険料の年額は65万8805円となりました(40歳以上の場合)。
会社の健康保険に加入する場合、子どもの保険料はかからないことが一般的ですが、国民健康保険には扶養という概念がないため、家族の人数分かかることに注意が必要です。
※未就学児は軽減があります。
4. 国民健康保険料の支払いが苦しいときは
国民健康保険料に軽減はないの?3/3
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国民健康保険料は、所得が0円でも支払う必要があります。
さらに前年の所得で決まるため、退職した翌年などは支払いが苦しいというときがあるかもしれません。
しかし、支払いを放置すれば延滞金等が発生してしまいます。
まずはお住まいの市町村(特別区を含む)の国民健康保険の窓口まで相談しましょう。
解雇などによって離職を余儀なくされた方の場合、軽減措置が設けられています。さらに、災害等により生活が著しく困難となった世帯なども、保険料を減免できる可能性があります。
窓口で相談することで分割払いなどが可能になることもあるので、まずは相談しましょう。
また、自営業の方で確定申告等を行っていない場合、本来であれば受けられるはずの軽減(均等割額・平等割額の軽減や未就学児にかかる均等割額の軽減など)が反映されていないケースがあります。
確定申告や住民税申告を行うことで、保険料が抑えられることもあるのです。
5. まとめにかえて
6月中旬より、続々と2025年度の国民健康保険料の通知書が送られる予定です。
給与天引きではなく自発的な納付となるため、その金額の大きさを実感しやすいものです。
また保険料は毎年変動し、上限額は年々増加傾向にあります。
制度改正が家計に及ぼす影響は少なくありません。健康保険法施行令等の一部を改正する政令が交付され、8月1日より施行予定です。
制度の動向には注視しましょう。
参考資料
- 厚生労働省「国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額について」
- 厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」
- 新宿区「令和7年度 国民健康保険料 概算早見表(総所得金額等)」
- 奈良市「令和7年度国民健康保険料決定通知書の送付について」
- 厚生労働省「健康保険法施行令等の一部を改正する政令の公布について(通知)」
マネー編集部社会保障班