夏に向けて「子どもたちの夏期講習」など学びを支える準備が少しずつ動き出す季節になりました。将来の夢に向かって頑張る姿を見て、「応援したい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そんな中で注目されているのが、祖父母などが子や孫へ教育費を贈る際に使える「教育資金一括贈与の非課税制度」です。
今回は、文部科学省の最新調査「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金」などをもとに、教育費の実態と制度の活用ポイントをわかりやすくご紹介します。
1. 「初年度だけで147万円超!」大学費用はいくらかかる?
文部科学省が2023年12月26日に公開した「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」の概要をみていきましょう。
初年度学生納付金の調査結果概要を要約すると、以下のポイントがあげられます。
- 私立大学初年度納付金の総計は147万7339円と高額
- 私立短期大学や専門学校でも100万円超
- 施設整備費や実習費など“授業料以外”の支出も合計すると高額
進学時の「一括支出」は家計にとって大きな負担になります。高額になりがちな大学費用など祖父母から贈与を受ける人も中にはいるでしょう。
そんな教育費のために「想いある贈り物」である贈与を受ける際、お得な制度があります。
それが教育資金一括贈与の非課税制度になります。
次に詳しくみていきましょう。
2. 【教育資金一括贈与の非課税制度】3つのポイント
教育資金一括贈与の非課税制度とは、30歳未満の子や孫に対して、祖父母などが教育目的で最大1500万円まで贈与した場合に、贈与税がかからない特例制度です。
この制度を利用するには、金融機関での手続きが必要になります。
制度について、3つのポイントと注意点を1つにしぼってわかりやすく解説していきます。
2.1 ポイント①:最大1500万円まで贈与が非課税になる
この制度を利用することで、30歳未満の子や孫に教育目的で一括贈与する場合、最大1500万円まで贈与税がかからなくなります。
授業料・入学金・教材費など、幅広い教育関連費用が対象です。
2.2 ポイント②:金融機関を通して手続き&資金管理
制度を利用するため、まずは金融機関等で手続きをおこない「教育資金非課税申告書」を提出する必要があります。
贈与後も使った費用に対して領収書を提出する形式で、教育目的以外には使えない仕組みになっています。
2.3 ポイント③:教育に使った分は非課税、それ以外は課税
たとえば、大学入学金や学費の支払いは非課税ですが、宝石を購入するなど教育目的以外の出費は課税対象となります。
教育資金として計画的に使うことが前提です。
2.4 注意点:30歳までに使いきらないと課税される場合がある
制度の期限は子や孫が30歳になるまで。それまでに使いきらなかった残額は、贈与税の課税対象になる可能性がありますので注意しましょう。
この教育資金一括贈与の非課税制度は、「今ある資産を、将来の教育に役立てたい」祖父母世代におすすめの制度です。
ただし、贈与には条件があるので活用前には金融機関や税理士に確認することが大切です。
3. 「未来を応援!」【教育資金一括贈与の非課税制度】要点をおさらい
今回は初年度学生納付金の調査結果などをふまえ、教育資金一括贈与の非課税制度について解説しました。
まとめると、
- 私立大学に加えて私立短期大学や専門学校でも初年度学費は100万円超
- 教育資金一括贈与の非課税制度は最大1500万円まで
- 教育目的以外の出費は課税対象
大学などの進学には、思った以上に大きな費用がかかります。
教育資金の一括贈与の非課税制度は、お孫さんの未来を応援しながら、生前贈与としても活用できる制度です。
贈る側にも受け取る側にもメリットがあるこの制度、上手に使って“想いある贈り物”にするのはいかがでしょうか。

