投資信託を買うことで税金がかかるといわれると、え!なんで税金がかかるの?と思う人も多いでしょう。

投資信託を購入する前には気づきにくいのですが、投資信託も金融商品の一つなので税金がかかることになります。

投資信託初心者には分かりにくい税金について考える

投資信託の購入時に、証券会社の販売手数料には消費税がかかります。

また、分配金や譲渡時(投資信託の売却・換金時)に発生する利益に対して税金(所得税・地方税)がかかります。これは、株式の配当や売却益に税金がかかるのと同じです。

ちなみに、株式を購入する際に証券会社に支払う手数料には消費税がかかっています。今回は、その中でも分配金について関係する税金を見ていくことにしましょう。

最近ネット証券で初めて投資信託を購入した相場晴子(アイバ・ハルコ)さんと大学の同級生で資産運用会社に勤めるファンドマネージャーの投信博士(トウシン・ヒロシ)さんも、公募国内証券投資信託の分配金にかかわる税金について話しています。聞き耳を立ててみましょう。

普通分配金と所得税・地方税

相場:税金の話はこんがらがっていて難しいわ。わ・か・り・や・す・く教えてくれないかしら?

投信:じゃあ、分配金にかかる税金から始めよう。

相場:分配金は、株の配当のように、その投資信託の利益の一部を払い出してもらう金額のことよね。

投信:そうだね。ただ元本を払い出す行為に相当する分配金もある。税金を考える上では分配金は2つの種類に分けて考えるんだ。2つというのは、普通分配金と特別分配金がある。

相場:さっそくややこしくなってきたじゃない! ちゃんと整理して教えてね。

投信:じゃあ、一つずつ説明することにしようか。まず「普通分配金」から説明するよ。

相場:そもそも分配金というのは、利益の一部ないしは全部を投資家に払い出す金額よね。

投信:もう少し詳しくいうと、まずその投資信託の自分の購入した価格(簿価)に対して、分配金支払後の投資信託の基準価額が上回っている場合を「普通分配金」と呼ぶんだ。もっと簡単にいうと、普通分配金は投資信託に投資をすることで得られる儲けから支払われた分配金のことだよ。

普通分配金に対する税率

相場:普通分配金にかかる税率はどうなの?

投信:公社債投資信託なら利子所得として、株式投資信託なら配当所得として扱われ、所得税および復興特別所得税と住民税の合計で20.315%になる。

支払は源泉徴収

相場:税務署に申告する必要はあるのかしら。

投信:分配金を受け取るときに源泉徴収される。公募公社債投資信託は源泉分離課税なので、確定申告のような追加の手続きは一切ない。

特別分配金とは

相場:なるほどね。ところで、もうひとつの分配金は何ていうのかしら。

投信:「特別分配金」といって、元本払戻金ともいえるね。

相場:どういうケースで特別分配金が発生するのか説明してほしいわ。

投信:例えば相場さんがある投資信託を買って、その簿価が1万円だとしよう。いま、分配金支払直前の基準価額を1万2000円、分配金を3000円としようか。分配金支払後の新しい簿価はいくらになるかな?

相場:9000円よね。

投信:そうだね。よく考えてみると、1万2000円になっていたわけだから、その投資信託の収益は2000円だったわけだよね。だから実際に支払われた3000円のうち、この2000円相当は「普通分配金」にあたる。この2000円に対しては、先ほど説明したように20.315%の税金がかかる。

相場:そうね。では残りの1000円はどうなるの。

投信:3000円の分配金のうち残りの1000円は、その投資信託の収益を超えて支払われるわけだから、元本の払い出しとみなすんだ。

相場:特別配当金の税金はどうなるの。

投信:特別分配金は、払い込んだお金が自分に戻ってくる額ということで、非課税なんだ。

分配金再投資コースを選んだ場合

相場:ところで、分配金再投資コースというものがあるわね。その場合、私の口座に分配金は入金されないでその投資信託に再投資されるのだけど、税金はかからないってことかしら。

投信:相場さんいいポイントだね。分配金を再投資する場合には、いったん投資信託の保有者に分配金を支払い、即座にその分配金で買付をすると取り扱われる。だから普通分配金である場合には税金がかかるんだ。

相場:えー、そうなの。長期投資で複利効果を狙うなら、分配金を出さないかその金額がなるべく少ないほうがいいわ。

投信:仮に分配金が支払われるなら、分配金受取コースも分配金再投資コースも分配金にかかる税金は同じだけど、分配金再投資コースは買い増しの時に購入手数料がかからないことが多い。このコスト節約効果にも注目しておきたいね。

まとめ

投資信託初心者にも分かりやすい分配金にかかる税金の話はいかがでしたでしょうか。

分配金に税金がかかるといっても、基本的には売却・換金時に利益が出た時です。まあ、ぜいたくな悩みとでも言いましょうか、運用が成功した際に関係する話でした。

ただ、投資信託を活用して長期で運用したい方は、分配金の少ない投資信託がよいでしょうし、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)なども活用するとよいですね。

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参考プレスリリース

  • 楽天証券「楽天証券、NISA・iDeCo 2021年新規口座開設が業界最多に!」2022年3月30日

制作:株式会社モニクルリサーチ

登場人物

相場晴子(アイバ・ハルコ)。国内の大手生命保険会社の本社で勤務するOL。40代後半。未婚。慶早大学・文学部卒。最近、少し貯金も貯まってきたのでオンライン証券で口座を開設(リンクを張る)して、初めて投資信託を購入。外貨建ての銀行預金を除くと初めての投資。購入したはじめての投資信託は日本株のアクティブ運用の投資信託。でも、実は自分でどういった金融商品に投資をしたいかは十分に理解していない。

投信博士(トウシン・ヒロシ)。相場晴子の大学時代の同級生。慶早大学・経済学部卒。現在は、資産運用会社に勤務。大学卒業後、企業を調査する証券アナリスト、シンクタンクに出向しエコノミストとしてマクロ分析を経験した後、現在は株式のファンドマネージャー。趣味は、スマホゲームと釣り、サッカー観戦。

LIMO編集部