総務省が8月22日に発表した2025年7月の全国消費者物価指数(2020年=100)によると、生鮮食品を除いた総合指数は111.6となり、前年同月比で3.1%の上昇となりました。さらに、物価の基調を示す「生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数」も3.4%上がり、高止まりの状況が続いています。
背景には、食料品やサービスを中心とした幅広い分野での値上げが影響しています。こうした物価高を実感する中で、「今の収入をもっと増やしたい」と感じる方も少なくないのではないでしょうか。
とはいえ、普段の生活の中で「周囲の人はどれくらいの年収を得ているのか」を知る機会は意外と限られています。
そこで今回は、国税庁の調査データをもとに、日本人の平均年収の実態をわかりやすく整理してご紹介します。
1. 【いくらなら普通?】日本の「平均的な年収」はいくら?
国税庁が公表した「令和5年分 民間給与実態統計調査」によれば、1年間を通じて勤務した給与所得者は約5076万人で、その内訳は男性が約2887万人、女性が約2189万人でした。
平均年収はおよそ460万円となっています。
平成26年の平均年収は421万円でしたが、その後はおおむね上昇傾向を示し、令和4年には400万円台後半に達し、令和5年には460万円にまで伸びました。
ただし、平均年収は年齢層によって大きく差があるため、次章では年代別の平均給与を詳しく確認していきます。
2. 【年代別で比較】30~50歳代の「平均的な年収」はいくら?
国税庁が公表した「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、年代別の平均年収は以下のとおりです。
2.1 【男性・30~50歳代】平均年収を年代別に確認
- 30~34歳:492万円
- 35~39歳:556万円
- 40~44歳:612万円
- 45~49歳:653万円
- 50~54歳:689万円
- 55~59歳:712万円
男性の年収は30歳代前半の段階で全国平均を超え、40歳代に入ると600万円台に到達し、50歳代後半には700万円を上回る水準に達しています。
この結果から、年齢を重ねるごとに収入が着実に伸びていく傾向が確認できます。
2.2 【女性・30~50歳代】平均年収を年代別に確認
- 30~34歳:345万円
- 35~39歳:336万円
- 40~44歳:343万円
- 45~49歳:343万円
- 50~54歳:343万円
- 55~59歳:330万円
女性の年収は20歳代後半で353万円に達するものの、30歳代以降はやや減少し、その後も300万円台で推移しています。
また、全体を通じて、女性が平均年収を上回る年代は見られませんでした。
この背景には、出産や育児といったライフイベントを契機に働き方を見直す女性が多いという社会的要因が影響していると考えられます。
ただし、近年は働き方の多様化や価値観の変化が進んでおり、今後はこうした傾向にも変化が見られる可能性があります。
3. 【男女別で比較】年収のボリュームゾーンは?
次に同調査より、日本の給与所得者の給与階級別割合からボリュームゾーンも確認していきましょう。
給与を階級別に区分してみると、男性の場合は特に多くの人が以下の階層に該当し、全体として年収400万円台に集中している傾向が確認できます。
- 「400万円超 500万円以下」17.5%
- 「300万円超 400万円以下」14.9%
- 「500万円超 600万円以下」14.0%
一方、女性に関しては年収のボリュームゾーンが異なり、分布は以下のようになっています。
- 「100万円超 200万円以下」20.5%
- 「200万円超 300万円以下」19.6%
- 「300万円超 400万円以下」18.1%
女性の年収で100万円台の割合が高いのは、育児や家庭の事情によりパートタイムや短時間勤務を選択する人が多いためと考えられます。
また、一般的に「高収入」とされる年収1000万円以上の層に注目すると、男性は全体の約8.6%であるのに対し、女性は1.4%にとどまっています。
上記の結果からも、高所得層における男女差が依然として大きいことが分かります。
4. 節税と資産形成、どちらも意識した取り組みを
ここまで、日本人の年収事情を見てきました。年収が増えれば手取りも増えますが、その一方で税金や社会保険料の負担も重くなっていきます。
もし「少しでも手元に残るお金を増やしたい」と思うなら、節税につながる制度を上手に活用するのもひとつです。たとえばiDeCoは、積み立てた金額がそのまま所得控除の対象となるため、節税効果が期待できます。さらに、投資信託などで運用することで、老後資金づくりにも直結します。
収入を増やすのは簡単ではありませんが、制度を知って活用することで、効率よく将来への備えを進めることができます。節税と資産形成、どちらも意識した取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。


