株式市場の振り返り-日経平均株価は大幅反落、一時▲508円安もその後は膠着状態

2018年12月10日(月)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,219円(▲459円、▲2.1%) 大幅反落
  • TOPIX 1,589.8(▲30.6、▲1.9%) 大幅反落
  • 東証マザーズ総合指数 947.7(▲32.8、▲3.4%) 大幅5日続落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:149、値下がり銘柄数:1,951、変わらず:22
  • 値上がり業種数:2、値下がり業種数:31
  • 年初来高値更新銘柄数:4、年初来安値更新銘柄数:435

東証1部の出来高は13億8,309万株、売買代金は2兆2,704億円(概算)となりました。出来高は先週末並みでしたが、売買代金は減少しています。先週末の米国株急落を受けてリスクオフムードが一気に高まりましたが、週初ということもあって模様眺めに徹する投資家も少なくなかったようです。

売買代金は低水準ながら2兆円を超えており、閑散相場という状況ではありませんでした。

そのような中、日経平均株価は終日にわたって大幅マイナス圏での推移となりました。ただ、前場の序盤に一時▲508円安まで売られた後は、狭いレンジでの膠着状態に入りました。結局、安値を付けた後は下値を掘り下げることもなく、また、大きく反発することもなく引けています。

ちなみに、終値が21,500円割れとなったのは10月30日以来のことです。

なお、TOPIXも同じような値動きで大幅反落となりましたが、下落率は日経平均株価よりやや小さくなりました。これは大型株への売りがやや優勢だったことを示唆していると言えましょう。

東証マザーズ総合指数は大幅5日続落、売買代金は6日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は4,521万株、売買代金は680億円となりました。出来高は先週末よりやや増えましたが、売買代金は減少しています。ソフトバンクの大型IPOを控えてか、模様眺めムードが強まって盛り上がりに欠けた商いとなりました。売買代金は6日連続で1,000億円を下回っています。

また、主力株に換金売りと見られる売買が出た結果、総合指数は大幅下落となる5日続落となりました。節目の1,000ポイントを大きく割り込んでいますが、今後は個人投資家の物色意欲の回復が大きなカギになりそうです。

ソフトバンクGが大幅3日続落、日立製作所が安値更新後に急反発

個別銘柄では、主力大型株が軒並み大幅安となり、ファナック(6954)、TDK(6762)、日東電工(6988)、キヤノン(7751)、アサヒグループホールディングス(2502)などが年初来安値を更新しました。

また、ソフトバンクグループ(9984)が大幅安で3日続落となり、大型買収による財務リスク懸念が残る武田薬品工業(4502)も大幅安の3日続落となり年初来安値更新となっています。

さらに、コマツ(6301)と日立建機(6305)の建機株が急落してともに年初来安値を付け、ハイテク株では急落したシャープ(6753)やパナソニック(6752)も安値更新となりました。

その他では、三井住友フィナンシャルグループ(8316)などメガバンク株が3つ揃って年初来安値更新となったのが目を引きました。

一方、数少ない値上がり銘柄の中では、英国における原発事業見送りの観測報道が流れた日立製作所(6501)が安値を付けた後に急反発し、終値も上昇する逆行高となりました。

また、ZOZO(3092)が大幅上昇となり、ビックカメラ(3048)やLIXILグループ(5938)も堅調に推移して引けています。

新興市場(東証マザーズ)では、CYBERDYNE(7779)はまたしても急落の7日続落となって年初来安値を更新しました。また、メルカリ(4385)も大幅安で連日の年初来安値更新(上場来安値)となり、ブライトパス・バイオ(4594)も急落しています。

一方、サンバイオ(4592)が大幅上昇し、ソウルドアウト(6553)も大きく値を上げました。

葛西 裕一