シリーズでお届けしている「株式投資で毎月配当生活を考える」。毎月、配当だけで生活をしたい!そんな「毎月配当生活」の夢をお持ちの方も多いのではないでしょうか。ここでは、配当が出ている会社とはどのような会社なのか、またどのようにすれば毎月配当生活を実現できるのかを見ていきたいと思います。今回はロート製薬です。
ロート製薬の配当実績と予想
さて、ここでは同社の配当決算期、配当実績や3期連続で増配がされているのかを確認してみます。もっとも、10年以上も増配を続けている会社もありますが、ここでは直近3年の増配の有無を確認します。
また、将来の配当は誰しも気になるものです。会社による配当予想についてもみてみましょう。
配当決算期
- 9月期(上期)
- 3月期(通期)
1株当り配当実績
- 2016年3月期:20円(内、中間配当:10円)
- 2017年3月期:21円(内、中間配当:10円)
- 2018年3月期:22円(内、中間配当:11円)
3期連続増配フラグ(実績ベース)
YES
配当予想(会社予想)
- 2019年3月期:23円(内、中間配当:11円)
増配フラグ(会社予想ベース)
YES
ロート製薬の過去1年の株価
配当はしっかりしているが、長期で株価が大きく下落してしまったというのではがっかりしてしまいます。ここでは、同社の株価の動きも確認しておきましょう。
同社の株価は過去1年で見ると、凸凹はありますが、上昇傾向にあります。1年前は3000円付近で推移していた水準が、現在は3300円水準での動きとなっています。秋にかけては4000円にも達しましたが、その後は下落しました。
2019年には業績の拡大とともに増配があるのかに注目です。
まとめにかえて
上場銘柄の配当タイミングを意識し、自分で銘柄選択することで、「毎月配当」のポートフォリオを作ることができます。
以前、毎月分配の投資信託は人気がありましたが、そうした投資信託を購入しなくとも、自分で「毎月配当」のポートフォリオを作ることができます。自分でポートフォリオを作れば、投資信託における信託報酬といった定期的に発生する運用費用は必要ありません。
同じような業種の銘柄が被らないように意識をして、自分が好きな銘柄でポートフォリオを作ってみてはいかがでしょうか。
【確認:毎月配当を手にするための手順】
毎月配当を手にするには、以下のようなプロセスが必要となるでしょう。
配当が出ている銘柄を選別する
配当が半期ごとに出ているのか、通期に1回なのかを確認する
月ごとに(1月から12月まで)配当を受け取れるようなポートフォリオを作る
以上、簡単ですが上記3つのステップで毎月配当収入を手にすることができます。
たとえば、半期ごとに配当がされる銘柄であれば、理屈上は最低6銘柄あれば毎月配当収入を手にすることができます。
また、銘柄数は少ないですが、本田技研工業(ホンダ)のように四半期(3か月)ごとに配当を出す企業もあります。そういった企業も組み合わせれば銘柄数は半期ごとに配当のある6銘柄でポートフォリオを組むよりも更に銘柄数を少なくすることができます。
ただし、四半期で配当を行う企業は日本の上場企業では稀なケースです。加えて、銘柄の選択肢が限定されてしまう点や銘柄分散によるセクター分散の程度が薄まる点は意識しておいてもよいでしょう。
【注意点:配当の原資、「出所」を知ろう】
株主への配当は税金度を支払った後のいわゆる「当期純利益」から分配されるべきものです。
稀に財務体質が健全であるために(たとえば、現金同等物の保有比率が総資産に対して大きく、ROEを引き下げているケースなど)、当期純利益以上の配当をすることもあります。
しかし、基本は発行体(上場企業)が当期に事業を行い、税金を支払った後の利益の中から株主に利益の一部を分けるという発想が基本です。
したがって、将来も配当がしっかりと出せる企業かどうかというのは、その企業の業績が今後もしっかりしているかどうかということを見極める必要があります。
【参考:配当利回りについて】
配当利回りを気にする方もいますが、配当額が維持されていても株価が大きく下落していると配当利回りは高くなります。
そうしたケースでは、業績が悪化しているために株価が下落していることがあります。場合によっては、会社による業績下方修正とともに減配などのアナウンスがされ、結果的に配当利回りは元の水準に落ち着くことになった、ということがあります。配当利回りだけをみての銘柄選択は十分とは言えません。
【発展】
増配になるかどうかという点については、将来利益が伸びていけば期待することは可能です。配当性向という、当期純利益のうち、どの程度の割合を配当に充てているかなどの指標も注意したいところです。
増配銘柄を上手に選択することができれば、年々配当が増えていくわけですから夢の配当生活には近づいていくことになります。
繰り返しになりますが、配当を安定的に出せるかという点は、企業の業績、つまりファンダメンタルズに関する理解が必要です。
【参考資料】
青山 諭志