1. 老後に「国民年金＋厚生年金」を受給するのはどういう人？
現役時代に年金保険料を納めて受給要件を満たした方は、老後に「国民年金（老齢基礎年金）」や「厚生年金（老齢厚生年金）」を受けとります。
厚生年金保険は国民年金に上乗せする形で加入するため、老後には「国民年金＋厚生年金」を。厚生年金保険に加入して働いたことがない方は、老後に「国民年金」のみを受給することになります。
国民年金・厚生年金の「加入対象・年金保険料・老後の年金受給額」の違いを見てみましょう。
1.1 国民年金
加入対象者
- 原則として日本に住む20歳から60歳未満のすべての人
年金保険料
- 全員定額、ただし年度ごとに改定される（※1）
老後の年金受給額
- 保険料を全期間（480カ月）納付した場合、65歳以降で満額の老齢基礎年金（※2）を受給できる。未納期間分に応じて満額から差し引かれるしくみ。
※1 国民年金保険料：2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金（老齢基礎年金）の満額：2025年度月額は6万9308円
1.2 厚生年金
加入対象者
- 会社員や公務員、またパートで特定適用事業所（※3）に働き一定要件を満たす人が、国民年金に上乗せで加入
年金保険料
- 収入に応じて（上限あり）決定される(※4)
老後の年金受給額
- 加入期間や納付済保険料により、個人差が出る
厚生年金は、会社員や公務員が国民年金に上乗せして加入します。
上記のとおり、国民年金と厚生年金では、加入対象や年金保険料の決定方法、そして年金受給額の計算方法などが異なります。
とくに、厚生年金は「厚生年金保険に加入して働いた期間」と「その期間中の年収」により年金額が左右されるため、個人差は非常に大きいのが特徴です。
冒頭で、厚生年金（国民年金を含む）の平均月額は約14万円であり、これを下回る人も少なくないとお伝えしました。
次章では、「国民年金＋厚生年金」を受給できる人のうち、平均月額14万円を上回る「月額15万円」以上を受けとる人は何パーセントくらいいるのかを見ていきます。
