6. 60歳代の約7割が老後の生活資金に不安
生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」から、老後の生活資金に対して「不安」と感じている方の割合を見てみます。
6.1 老後の生活資金に対して「不安」と回答した人の割合
- 29歳以下:73.3%
- 30~34歳:76.5%
- 35~39歳:77.9%
- 40~44歳:77.3%
- 45~49歳:81.7%
- 50~54歳:80.3%
- 55~59歳:76.8%
- 60~64歳:69.9%
- 65~69歳:70.4%
- 70~74歳:65.9%
- 75~79歳:60.4%
- 80~84歳:63.4%
- 85~89歳:42.9%
- 90歳以上:18.8%
実際に老後を迎えた60歳代の約7割が生活資金に不安を感じており、その割合は2021年の調査時より増加しています。
長生きするほど生活資金が尽きるリスクが高まるため、70歳代以降の不安もさらに強まっているのが現状です。
7. 年金額を増やす方法3選
年金額を増やす主な方法として、以下の3つをご紹介します。
7.1 60歳以降も働けるうちは働く
厚生年金の受給額は、現役時代の収入と加入期間に応じて決まります。そのため、60歳以降も働けるうちは働き、厚生年金への加入期間を延ばすことで、将来受け取る年金額を増やすことが可能です。
近年は人手不足の影響もあり、シニア世代の雇用を積極的に行う企業が増えています。
65歳以降も働ける環境が整いつつあるため、長く働くことを検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、長く働くには心身ともに健康であることが前提となるため、日頃からの体調管理にも十分注意が必要です。
7.2 繰下げ受給する
年金の受給開始時期は、66歳から75歳までの間で繰り下げることができ、1ヵ月繰り下げるごとに年金額を0.7%増額できます(最大84%)。
例えば、受給開始を70歳に繰り下げた場合、65歳から受給を開始した場合に比べて42%(0.7%×60ヵ月)増額可能です。
繰下げ受給を選択することで、長生きすればするほど受け取る年金総額が多くなります。
ただし、繰下げ受給を選択しても、受給開始後すぐに亡くなってしまった場合は、増額の恩恵を十分に受けられない可能性があります。
また、受給開始までに他の収入源がないと、生活が困窮する恐れもあるため、ご自身の家計や健康状態などを踏まえて、受給開始時期を慎重に検討する必要があります。
7.3 付加年金に加入する
国民年金に加入している方のうち、国民年金第1号被保険者および65歳未満の任意加入被保険者は、月額400円の付加保険料を納めることで「付加年金」に加入することができます。
付加年金は、「200円 × 付加保険料の納付済月数」で計算され、例えば5年間(60ヵ月)納付した場合、年額1万2000円が老齢基礎年金に上乗せされます。
受給開始から2年を過ぎれば、納付額よりも受給額が上回り、その後も増額分を継続して受け取ることが可能です。
なお、保険料の納付を免除されている方などは、付加年金に加入することができません。