4. iDeCoでできる3つの節税対策
iDeCoは「積み立て時」「運用中」「受け取り時」の3つのタイミングで節税メリットがあります。
4.1 節税対策1:掛金全額が所得控除になる
毎月の掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として全額が所得控除の対象です。
課税所得を減らすことで、所得税・住民税の負担が軽くなります。
所得が高い方ほど節税効果も大きくなります。
4.2 節税対策2:運用益が非課税
通常、利息や配当、値上がり益などの運用益には、20.315%の税金がかかりますが、iDeCoでの運用益はすべて非課税です。
iDeCoは長期積立・長期運用を前提とした制度であり、複利効果が最大限に活かせる利点もあります。
4.3 節税対策3:60歳以降に受け取るときに控除がある
60歳以降にiDeCoを受け取る際には、受け取り方法に応じた税優遇があります。
- 一時金で受け取る場合:退職金所得控除の対象となり、勤続年数に応じて控除額が増加
- 年金形式で受け取る場合:公的年金等控除が適用
ただし、退職金とiDeCoの一時金を同じ年に受け取ると、控除枠を超えて課税対象になる可能性があります。
受け取る時期を分けるなどの工夫が必要です。
5. 将来に備える制度として活用を検討してみましょう
日本の平均年収は増加傾向にあるものの、雇用形態や業種によって差があります。
そんな中、iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後の資産形成と節税の両方を叶える有効な制度です。
ただし、原則60歳まで引き出せない制約もあるため、生活資金とは切り分けて、余裕資金で計画的に利用する必要があります。
節税しながら将来に備えたい方は、制度を正しく理解し、早めの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国2025年(令和7年)4月分(2025年5月23日公表)」
- 国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査結果について」
- 国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」
- 国民年金基金連合会「iDeCoってなに?」
- 国民年金基金連合会「かんたん税制優遇シミュレーション」
- 国税庁「No.2260所得税の税率」
円城 美由紀