2. 年金が約46万5000円支給される「標準的な夫婦」とは?
年金が約46万5000円支給される「標準的な夫婦」について、まずは「標準的な夫婦」とはどういった夫婦なのか、その定義を明らかにするとともに、なぜ約46万5000円が支給されるのか理由を解説していきます。
2.1 「標準的な夫婦」の定義
前出の日本年金機構が公表した資料によると、「標準的な夫婦」とは次のように定義されています。
平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
(引用元:日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」)
つまり、夫が会社員や公務員などで働き、妻が専業主婦や扶養内でパートなどで働くといった夫婦がモデルケースとなっています。
夫の40年間の平均標準報酬(賞与含む月額換算)は45万5000円で、年収にすると546万円で就労したと想定されています。
妻は専業主婦や扶養内のパートなどで、厚生年金への加入がなく国民年金のみの受給となります。
こうした夫婦の合計年金額が23万2784円とされているのです。
なお、この金額は夫婦2人分の合計額である点に注意しましょう。
2.2 標準的な夫婦に「約46万5000円」の公的年金が支給される理由
ではなぜ、日本年金機構が示している標準的な夫婦の場合、公的年金の夫婦2人分の合計額として約46万5000円が支給されるのかというと、年金の支給は2カ月に1回、2カ月分がまとめて支給されるからです。
年金は、原則として年に6回、偶数月の15日に支給されます。
支給されるのは前月と前々月の2ヵ月分で、例えば8月支給分は6月分と7月分の合計額になるのです。
「標準的な夫婦」が支給される年金額は月額23万2784円なため、2カ月分だと46万5568円となり、公的年金の支給日に約46万5000円が支給されることになります。