4. 年収600万~650万円の《働く世帯》貯蓄・負債は平均いくら?
ここからは「年収600万~650万円世帯」の、貯蓄や負債事情について詳しく見ていきます。
4.1 年収600万~650万円の《働く世帯》貯蓄・負債とその内訳
「年収600万~650万円世帯」貯蓄と負債の内訳

出所:総務省統計局「家計調査 貯蓄・負債編 第8-2表<貯蓄・負債>年間収入階級別貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)」をもとに筆者作成
平均貯蓄額:1164万円
【貯蓄の内訳】
- 通貨性預貯金:458万円
- 定期性預貯金:287万円
- 生命保険など:244万円
- 有価証券:160万円
- 金融機関外:15万円
- 平均負債額:911万円
- (うち住宅・土地のための負債:839万円)
※純貯蓄額(平均貯蓄額-平均負債額):253万円
平均貯蓄額は1164万円と一見すると余裕があるように見えますが、負債(主に住宅ローン)を差し引いた純貯蓄額はわずか253万円にとどまります。年収の半分にも満たない金額ですね。
これからお子さんが大学などへ進学する世帯であれば、教育費が家計にとって大きな負担となる可能性が高いと言えそうです。
5. まとめにかえて
本記事では「年収600万円」をキーワードに、様々なデータをご紹介してきました。
この収入層の子育て世帯も、住宅ローンや教育費の負担は重く、貯蓄と負債の差である「純貯蓄」が小さいという現実に直面しがちです。
また、世帯主が40歳代後半であれば、教育費や住宅ローンの返済と並行して、「老後資金の準備」にも本格的に向き合い始める時期と言えるでしょう。家計の優先順位づけに、まさに頭を悩ませる方も少なくないはずです。
もちろん、今回ご紹介したのはあくまで「平均値」に過ぎません。ご家庭ごとの価値観、とりわけお子さんの進学プランなどによって、家計の最適解は変わります。
「わが家の場合はどうか?」を具体的に考えていく際のご参考にしていただければと思います。
参考資料
- 転職サービス「doda」、「平均年収ランキング2024」を発表 正社員の平均年収は426万円で、2017年以降最高額に
- 国税庁 「令和5年分 民間給与実態統計調査」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年平均結果-(二人以上の世帯・勤労者世帯)」第8‐2表
吉沢 良子