2. 年金生活者支援給付金制度って何?対象者や支給内容をわかりやすく紹介

「年金生活者支援給付金制度」は、公的年金等の収入が一定基準を下回る方を対象に、年金に加えて支給される給付金制度です。

老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金を受給している方が対象となり、給付金の支給にはそれぞれ要件が定められています。

給付額は、「保険料を納めた期間」や「加入していた月数」などにより異なり、受給者ごとに個人差があります。

2.1 2025年度の給付基準額は前年度比2.7%増加

2025年度は物価上昇などの影響を受け、給付基準額が前年より2.7%引き上げられました。

【2025年度】年金生活者支援給付金の給付基準額

【2025年度】年金生活者支援給付金の給付基準額

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」をもとにLIMO編集部作成

  • 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5450円(+140円)
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円(+175円)・2級5450円(+140円)
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円(+140円)

実際の支給額は、上記の給付基準額をもとに、保険料納付済期間などに応じて計算されます。

3. 老齢年金生活者支援給付金の条件は?対象になる人の特徴とは

【支給要件】

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下(※2)

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

このように、年金生活者支援給付金を受け取るには、所得に関する条件が設けられています。

たとえば、老齢年金生活者支援給付金の所得上限(88万9300円または88万7700円)を月額に換算すると、おおむね月7万4000円以下の収入が目安となります。

なお、支給要件をすべて満たしていたとしても、申請しなければ給付を受けることはできません。

次章では、年金生活者支援給付金の申請方法について詳しく確認していきましょう。