株式市場の振り返り-日経平均株価は6日続伸、週末のイベントを控えても活況な商い

2018年11月30日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 22,351円(+88円、+0.4%) 6日続伸
  • TOPIX 1,667.4(+7.9、+0.5%) 6日続伸
  • 東証マザーズ総合指数 1,011.4(+0.5、+0.1%) 6日続伸

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,311、値下がり銘柄数:737、変わらず:69
  • 値上がり業種数:25、値下がり業種数:8
  • 年初来高値更新銘柄数:29、年初来安値更新銘柄数:10

東証1部の出来高は18億1,925万株、売買代金は3兆6,637億円(概算)となり、いずれも前日より大幅増加となりました。週末から始まるG20を控えて様子見スタンスを維持した投資家が多かった一方で、週末と月末が重なったことによるポジション調整の売買が増加しました。また、MSCI指数の構成銘柄入れ替えに伴う売買が出たことにより、想定以上に商いが膨らんだようです。

売買代金は活況の目安と言われる3兆円を大きく上回り、3兆5,000億円も超えて引けました。

そのような中、日経平均株価は下値を固める展開となりました。前場の半ばに一時▲30円安となりましたが、後場の半ばには一時+100円高まで上昇する場面が見られています。結局、最後も買いが優勢となり6日続伸となりました。

ちなみに、終値で6日続伸となるのは、9月13~26日にかけて記録した8連騰以来のことであり、終値が22,300円台に乗せたのは11月8日以来となりました。これだけを見ても、今回の株価調整局面の厳しさが表れていると言えましょう。

なお、TOPIXも同じような値動きで6日続伸となりました。

東証マザーズ総合指数は6日続伸、売買代金は3日連続で1,000億円超え

東証マザーズの出来高は5,165万株、売買代金は1,009億円となりました。出来高は前日より増えましたが、売買代金は微減でした。ただ、減ったとはいえ、売買代金は3日連続で1,000億円を上回るなど、個人投資家の物色意欲に回復の兆しが出たと見られます。

また、総合指数もわずかに上昇して6日続伸となりました。終値も連日で1,000ポイントを維持しましたが、今後は引き続き個人投資家の物色意欲の回復が大きなカギになりそうです。

セイコーエプソンが一時▲7%安に迫る急落、中外製薬は連日の年初来高値更新

個別銘柄では、セコム(9735)と中外製薬(4519)が大幅高でともに年初来高値を更新し、KDDI(9433)、テルモ(4543)、エーザイ(4523)なども大幅上昇となりました。

また、自動車株ではスズキ(7269)が大きく買われ、ハイテク株ではNEC(6701)が年初来高値を更新し、日本電産(6594)や村田製作所(6981)など電子部品株の一角に買い戻しが入ったようです。

その他では、医薬品株が総じて買われ、アステラス製薬(4503)、塩野義製薬(4507)、大塚ホールディングス(4578)などが大きく値を上げ、武田薬品工業(4502)も取引時間中に年初来安値を更新後に急速に買い戻されました。

一方、ハイテク株で売りに押される銘柄が多く見られ、セイコーエプソン(6724)が一時▲7%安に迫る急落で年初来安値を更新した他、シャープ(6753)が一時▲6%安に迫る急落、東証2部の東芝(6502)も▲5%超安の急落で安値引けとなりました。

また、自動車株にも軟調な動きが目立ち、SUBARU(7270)、トヨタ自動車(7203)、マツダ(7261)などが大きく値を下げて引けています。その他では、良品計画(7453)が大幅安になるなど、小売株の一角が売られたことが目を引きました。

新興市場(東証マザーズ)では、サンバイオ(4592)が小幅反落となり、CYBERDYNE(7779)も軟調に推移しました。また、メルカリ(4385)は3日続落となり、ドリコム(3793)も大幅安で引けています。一方、中村超硬(6166)が急反発し、ユーザベース(3966)も大幅上昇となりました。

葛西 裕一