2. 金融庁は新たなNISA制度として「プラチナNISA」を検討

政府は、高齢者向けに、NISA制度を新たに活用するための「プラチナNISA」の導入を検討しています。

プラチナNISAは、高齢者が無理なく資産運用を行えるように、「長期積立型」ではなく、運用益の一部を定期的に分配金として受け取れる「毎月分配型」の金融商品が対象となる予定です。

この制度は、高齢世代の生活設計に配慮し、より実用的な資産運用をサポートすることを目的として設計されています。

2.1 プラチナNISAはいつから始まるの?

自民党の「資産運用立国」を推進する議員連盟がまとめた提案には、新たなNISA制度として「プラチナNISA」の導入が含まれています。

この提案は、金融庁が2026年度の税制改正に向けて提出する予定で、今後、制度改正に向けた議論が本格化すると予想されています。

最短で来年度には、プラチナNISAに向けた動きが見られる可能性がありますが、現段階でこの制度に対する認知度はどの程度広がっているのでしょうか。

3. 約半数が「プラチナNISA」を知っていると回答

家計相談サービス「オカネコ」を展開する株式会社400Fは、金融庁が検討中とされる新たなNISA制度に関して、『オカネコ 新NISA及びプラチナNISA・こどもNISAに関する意識調査』を実施しています。

調査概要は下記のとおりです。

  • 調査名:オカネコ 新NISA及びプラチナNISA・こどもNISAに関する意識調査
  • 調査方法:WEBアンケート
  • 調査期間:2025年4月18日(金)~2025年4月20日(日)
  • 回答者:全国の『オカネコ』ユーザー370人
  • 回答者の年齢:30歳代以下21.1%、40歳代29.5%、50歳代31.1%、60歳代以上18.4%
  • 回答者の世帯年収:400万円未満28.1%、400万円以上600万円未満19.2%、600万円以上800万円未満17.6%、800万円以上1,000万円未満11.6%、1,000万円以上1,200万円未満6.8%、1,200万円以9.7%、分からない7.0%
  • リリース公開日:2025年4月23日

上記調査の結果、金融庁が検討中の「プラチナNISA」について知っていると回答した人は全体の50.3%にのぼりました。

また、利用意向に関しては全体で38.9%とやや控えめな数値となった一方で、60歳代以上の層では48.5%が前向きに利用を検討しており、高齢層を中心に関心の高まりがうかがえます。

3.1 国民が求めている「プラチナNISA」の新機能とは?

株式会社400Fの調査によると、「プラチナNISA」の導入に際して、どのような機能が追加されると魅力的に感じるかとの質問に対して、最も多くの支持を集めたのは「既に保有している資産をNISA口座へ移行できる仕組み」でした。

次に多かった回答は「相続税の優遇措置」で41.6%となり、資産の効率的な活用やスムーズな継承に対する関心の高さが明らかとなりました。

また、老後資金として運用益を毎月の収入のように活用できる仕組みに対しても、一定のニーズが存在することが示唆されました。

上記を踏まえ、プラチナNISAにおいては、より柔軟で使いやすいシステムが求められており、現行の新NISA制度では使い勝手や対象商品の制限に対する課題が明確になっていることがわかります。