もちろんデフレ経済下では値上げなんてもってのほか、という企業や業態があることも事実です。であれば逆に、値上げができる企業は高い付加価値を提供できる力があったり、業界内で高い競争力を持っていたりするのではないでしょうか。

図表2はカルビーの株価推移です。株価は右肩上がりで、上場来8年弱で株価は約8倍になっています。株価上昇の要因がすべて値上げによるものだと言うつもりはありませんが、少なくとも投資家は業績好調を見込んでいたと考えられます。

図表2:カルビー(2229)の配当込み株価推移

出典:各種データベースよりGCIアセット・マネジメント作成。 期間:2011年3月11日~2018年11月16日、週次。

このように、消費者の底堅い需要がある商品やサービスは、多少値上げしたとしても受け入れられますし、ポテトチップスのようにむしろ一袋の分量が減った分、二袋買っておこうかという消費行動にもつながります。

統計上はデフレや低インフレにあえいでいる日本経済ですが、人は必要なものにはお金を使うもの。たとえインフレでも、人はポテトチップスを食べるのです。

本稿は以上です。なお、GCIアセット・マネジメントでは、2019年から毎月数回、資産形成・運用などに関するさまざまなテーマで無料セミナーを開催いたします。ご興味のある方は、こちらからセミナー情報の詳細をご覧ください。

注:本コラムで取り上げた企業や商品名は、読者の理解を進めるためのものであり、個別銘柄を推奨したり、将来の株価を予想したりするものではありません。

太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)